ミュージック バンク

ミュージック バンク

感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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時空を超える「Super Ocean Man」から感じた、banvoxの固い意思

banvoxがダンスミュージック界を率いる日本人スターのひとりだという人がいたら、それは半分正解であり、半分違うと思う。彼はもっと自由なのではないか――。

“ジャンルや型に縛られたくないんですよ”。以前どこかで読んだインタビューでそう話していたbanvox。ダンスミュージックを中心にさまざまなアプローチを試みてきた彼は、ここ数年ではヒップホップに挑戦するなど新たな一面を魅せてきた。しかし、思えばそれは今に始まったことではない。2014年にリリースされたファーストアルバム『Don't Wanna Be』から、彼は自由自在にサウンドを操ってきた。

Don't Wanna Be feat. Jordan Morris

Don't Wanna Be feat. Jordan Morris

  • banvox
  • ダンス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

例えば、ファーストアルバムの表題曲「Don't Wanna Be」では、ゆったりとしたR&Bテイストから曲が始まるといったジャンルを超えたアプローチを試みている。しかし、次第にダンスミュージックへと変貌を遂げるというトリックが仕掛けられており、そこがこの曲をおもしろくさせているように感じたのだ。まさに固定観念に縛られたくないといっているかのような曲である。

そして、その固い意思が揺らいでいないように感じたのが、今から2年前の2020年にリリースされたアルバム『DIFFERENCE』だ。ヒップホップコンセプトで制作された同アルバムは、これまでのテイストから大幅に方向性を変えたことで世間をざわつかせたものの、やはりその根底にあるのは自由に自分の想う世界観を表現したいということに尽きるのではないだろうか。アルバム収録曲の「Stay The Night」では、banvox本人がラップを披露している。

Stay The Night

Stay The Night

  • banvox
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

同アルバムはiTunes HIPHOPジャンルのアルバムチャートで1位を獲得するなどの快挙を成し遂げていたのだが、どうも筆者にはピンと来なかったのである。というのも、これまで人気を集めてきたダンスミュージック要素が無かったからだ。

しかしながら、今回の「Super Ocean Man」は違った。6月3日にリリースされたばかりのTohjiの最新アルバム『t-mix』に収録されているこの曲は、ヒップホップとダンスミュージックの垣根を軽々と越えてくる。それも、どちらか一方に偏ることなどなく、ヒップホップとダンスミュージックが手を繋いで仲良く共存しているのである。

Super Ocean Man

Super Ocean Man

  • Tohji & banvox
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

喧嘩することなくやさしく溶け込むそのハーモニーは、季節を超えるチカラもあるから不思議である。時は既に夏なのだ。しかも、感染症対策が始まる前の、何も規制が無かったあの頃の自由な夏の訪れを感じさせてくれるチカラが宿っているように感じた。徐々に“あの頃”を取り戻しつつある今、この曲は希望を見出してくれるのである。

そして、今回。banvoxはラップを披露するプレイヤー側ではなく、サポーターのようなプロデューサーの立場に回っている。一度、「Stay The Night」でプレイヤー側を経験しているからこそ、活かせているものも多いのではないだろうか。

「Super Man」とTohjiが歌うところで、疾走感のあるドクドクと胸を打つビートが流れるパートでは、まるでTohjiが大空を飛んでいるかのように感じさせるなど、banvoxは“Super Ocean Man”であるTohjiの歌を、美しく彩っているのだ。

また、この曲のおもしろさはその歌詞にある。「世界中股にかけたい 世界中股にかけたい 大事なことは2回言うタイプ 大事なことは2回言うタイプ」と、Tohjiにとって“大事なこと”を2回繰り返しているだけでなく、「大事なことは2回言うタイプ」というセリフまで2回リフレインしている遊び心のあるパートには、思わずクスリと笑ってしまうだろう。

さらには「嵐みたい ニノ」と嵐の“ニノ”こと二宮和也をさりげなく歌詞中に登場させているところにも、ワードセンスを感じた。それでいて、曲全体を通して揺るがない自信や信念のようなものを感じさせるところには、思わず胸を打たれるものがあるのだ。

とにもかくにも、しばらく耳を離せずにいられなかった「Super Ocean Man」。今思えば、アルバム『DIFFERENCE』はこの曲を作るための伏線のようなものだったのではないかとさえ思えたのだった。banvoxが本当にやりたかったのは、これだったんじゃないのか――。

“ジャンルや型に縛られたくない”というファーストアルバムからの意思は、今も彼の中で生き続けているのだろう。これからも“自由形”のスタイルで、音楽業界の波を泳いでいってほしい。カタチにとらわれないスタイルで魅力するbanvoxには、終始、感心させられっぱなしである。

WurtSの「SPACESHIP」から見る、“慢心”との戦い

初めて聴いたときから深みがあるように感じた、WurtSの「SPACESHIP」。

そして何度も噛みしめるうちに、さまざまな“旨味”を味わうことなったのだ。

やはりこの曲には魅力がたんまり詰まっている。そう確信した瞬間だった。

そして、この曲がNHKのパラスポーツアニメ「スノーボードクロス編」のテーマ曲として書き下ろされたものだと知り、さらに感心することとなる。

今回は、そんなWurtSの「SPACESHIP」について、独断と偏見で綴っていきたい。

SPACESHIP

SPACESHIP

  • provided courtesy of iTunes

WurtS「SPACESHIP」自己解釈

歓声から始まるイントロはまるで波の音のようにも聴こえ、歌詞には旧約聖書の『創世記』で描かれている「バベルの塔」も登場する。そして、そうした“波の音”や「バベルの塔」からは、自然と「ノアの方舟」も連想されるのではないだろうか。

まずは、そんなふたつのストーリーを振り返ってみよう。人々の慢心に満ちた世界を終わらせるために、神が洪水を起こしたという「ノアの方舟」のストーリーは有名だろう。ノアは神のお告げにより作った方舟に人や動物などを乗せ、40日間もの漂流をしたのち、アララト山に漂着して助かったとされている。

そして、その後。世界各地に住み始めた人々が自分たちのために名を上げようと、新しい技術を用いながら、神よりも高い、天まで届く塔を築き上げようとするのである。怒った神は塔を崩し、さらには同じ言葉を使用しているがゆえにこのような事態を引き起こしたと判断したため、二度と同じような状況を招かないためにも、言語もバラバラに散らしてしまう。そんなよく知られた「バベルの塔」のストーリーが続くのだ。

これらのお話を踏まえた上で、この曲のタイトルを振り返ってみてほしい。曲名は“宇宙船(SPACESHIP)”である。「バベルの塔」で目指していた天を突き抜け、宇宙まで到達できる飛行船。「大胆に開幕だ 乗り込めよ SPACESHIP」という“開幕宣言”のあと、まるで「ノアの方舟」のようにみんなを乗せて、宇宙を浮遊しているような間奏に突入していくイメージが浮かぶのではないだろうか。そんな新たなストーリーが展開されているのだ。

さらに、最初の間奏に入る直前にどこからともなく聴こえてくる「damn」のような言葉、さらには間奏中にも聴こえてくる「human」のようなワードは、神の発言のようにも聴こえるのではないだろうか。

バベルの塔」では天と地を繋ごうとした塔を崩すことに成功した神だったが、まさか新技術を用いて天をさらに上回る高さまで到達できるロケットを開発するとは思いもしなかったのだろう。「damn」は英語のスラングで「クソ!」や「畜生!」といった嫌悪感を示す意味のほか、驚きや感心を表す意味でも用いられている。神はおそらく、両方の意味を兼ねて「damn」とポツリ、さらには「human(人間よ)」と呟いたのだろう。

“慢心”との戦い

ノアの方舟」も「バベルの塔」も、人々の“慢心”に対する戒めとして描かれたストーリーである。しかしながら、曲中で描かれている“僕”からはあまりそれを感じない。感じたのは、適度な自信だった。というのも、もし自信過剰で周囲を敵に回すようなことをやってきた、慢心している人であったならば、“YOU BREAK YOUR WAVE”といった人々の応援にも似た歓声は聞こえてこないと思うからである。

“僕”はどんなに腕が辛くても、自分の感覚を研ぎ澄ませながら、“大海を目指す”という目標を達成するために今まで漕ぎ続けてきたのだ。これまでの経験から来る自信。それを周りは知っているからこそ、“僕”は応援されているのだと感じた。

そして、それはスポーツの世界でも同じことが言えるのではないだろうか。例えば、世界中で人気を誇る大谷翔平選手。世界最高レベルの“二刀流”をこなす持ち主でありながら、決して慢心せず、いつも楽しそうに試合をしている。また、グラウンドに落ちたゴミ拾いをするなどの小さな心遣いも忘れない。そうした姿勢を持っているからこそ、彼は世界中の人々から愛されているのだろう。

WurtSは、NHKのパラスポーツアニメ「スノーボードクロス編」のために曲を書き下ろすことが決まった際、大谷選手のようなアスリートの理想像も思い浮かんだのかもしれない。一方で、スポーツの試合を観ていると、中には優勝確実とされていた選手やチームが格下の相手に負けてしまう光景も時々見られる。そして、試合後のインタビューでは“慢心したために負けてしまった”と答えているところを見たことがある人も少なからずいるだろう。そんな慢心に対する注意を促すためにも、「ノアの方舟」や「バベルの塔」のストーリーも取り入れたのではないだろうかと考えさせられた。

“慢心”との戦い――。それは何もスポーツ界だけの話ではない。中には上手くいくとやや自信過剰になり、失敗してしまうことが多々ある人もいるだろう。また、程よい自信ならよいとは思うが、中には自分が正しいと信じて疑わない人も見かける。それで、孤立してしまう人も見てきた。私たちの日常にも潜んでいる、慢心の影。なんとか上手く付き合っていきたいものだ。

【On the treat Super Season】“おすし”の旨味をご堪能あれ!

病みつきになるハードコアなサウンド、クセになる歌詞、個性的なメンバー、魅せるパフォーマンス、それから多幸感に満ちたフロア――。

どこをどう切り取っても魅力にあふれている、アイドル・On the treat Super Season(通称:OSS。おすし)に、いま夢中である。

今回は、そんなおすしについて自由に語っていきたい。

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昨年のとある夏の日。“おすしハードコア”という謎めいたワードをコンセプトに掲げ、彗星のごとく現れたおすし。

グループ名を表す“おすし”、それから音楽ジャンルのひとつである“ハードコア”といったふたつのワードを掛け合わせることによって生み出されたその造語からは、まるで“おすしをはじめとする新たなムーブメントを作っていきたい”と言っているかのような、プロデューサーの熱い想いが感じられた。

そして、そんなプロデューサーの意気込みや期待に応えるかのように、クリエイターたちが思うそれぞれの“おすしハードコア”を表現しているように感じたのが、デビューEP『OSS : first flash paranoia』だった。

このデビューEPでは、1曲目に収録された「shake it now!!!!!!」から気合いの入った音の洪水が押し寄せてくる。そして、そのまま「SuperShow」「heartbeat」へとバトンタッチ。悪戯に微笑む重厚なサウンドで心を揺らしていく。

続く「brand new days」は、縦ノリビートから始まるイントロ、それからお経を彷彿とさせるキャッチーな早口言葉や、ギターソロからのスラップベースを華麗に響き渡らせるパートも挟む、筆者お気に入りの1曲だ。

その後は、おすしへの愛を遊び心たっぷりに告げる「SUSHILOVE」。そして、“これから”への決意みなぎる「RUN」で締めくくられるのだが、サウンドはもちろん、ワードセンスが炸裂したこだわりが詰まっているように感じる歌詞も、おすしの魅力のひとつだと思うのだ。

それぞれ異なる色を放つ、バラエティ豊かなハードコア作品が揃う同EP。未知のコンセプトでありながら、制作陣の妥協や迷いをいっさい感じさせない。それどころか、彼らの激しく燃え上がる創作魂がひしひしと伝わってくる。そんな想い想いの“おすしハードコア”が表現された、素敵な作品のように感じたのだった。

 

そんなおすしの魅力がいちばん輝いているのは、やはりステージの上だと思っている。

現場では、サウンドと歌詞が堪能できるだけでなく、パフォーマンスや表情といった、サブスクにはない魅力も感じられるからである。さらには、その日によって歌声やMCで伝えたいことなども変わってくる。それは、コンビニで買って食べるよりも、お寿司屋さんでいただいたほうが美味しく感じるのとどこか似ているだろう。

メンバーは、天ちゃん(海老原 天)、みらいちゃん(小熊みらい)、にいなちゃん(仁木 新菜)、まなみちゃん(まなみ)、麦ちゃん(麦)、せなちゃん(結凛せな ※読み:ゆいり)の6人。

一人ひとりの個性も魅せ方も異なる魅力的なメンバーが揃っているあまり、目が足りなくなるなんてことも少なくない。思わず何度も“おかわり”したくなる魅力が、そこにあるのだ。

 

そして、ファンも温かい人が多いように思っている。例えばそれは、同じプロデューサーが運営しているアイドルグループ・PRSMINとおすしがコラボしたライブ・プリズム寿司、それから生誕祭で感じることができるだろう。

振りコピをしながら、他の人に手が当たってしまったときはちゃんと謝罪する。MCでメンバーが何か語ってくれる際は、後ろをいったん振り返り、周りの人に配慮しながらしゃがむ人の姿も見られるなど、周囲への心遣いも忘れない。

“当たり前”に見えて、これができていない人は、フェスなどで散見されるだろう。しかし、そうしたファンの心配りもあって、アットホームな空間をより快適に楽しむことのできる遊び場が作られているように感じている。

また、楽しみ方もみんな自由だ。振りコピをしている人もいれば、楽しそうに身体を揺らしながら聴いている人、推しジャンしている人もいる。一人ひとりが自分なりの楽しみ方で一瞬一瞬を噛みしめている。そんなフロアの様子からは、幸せを感じることができるだろう。

 

デビューしてからもうすぐ7ヶ月が経とうとしているおすし。およそ7ヶ月という短さにも関わらず、彼女たちの成長は凄まじい。

それは、次々とリリースされていく「burst」や「stay glow」、「NeverNever」や「moving」、それから「signal」などの新たな曲を披露するたびに感じることができるだろう。歌い方が上達していたり、表情が豊かになっていたり、ダンスも上手くなっていたりと、そのパフォーマンスだけでも着実に磨きがかかっているのだ。

そんな魅力たっぷりなおすしを、これからも応援していきたい。

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WANIMAの「曖昧」に問われた“本気度”

突然の出逢い

Apple Musicのプレイリスト「トゥデイズ J-ロック」を流しながら作業していたのだが、WANIMAの「曖昧」のところでふと手が止まる。

メロディがなんとなく心地よく、楽曲をクリックしてみる。そこには「曖昧」と大きく書かれた文字と、男女が楽しそうにダンスを踊る姿が写っていた。

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このジャケ写にどこか惹かれたと同時に、ふたりのダンスが表す意味が気になった。

そこで、今度は歌詞を表示しながら、WANIMAの「曖昧」をじっくりと再生していく。

良い歌だった。そして、同時に“本気度”について考えさせられることとなった。

 

WANIMAの「曖昧」に迫る

WANIMAの「曖昧」は、おそらくラブソングだ。

しかしながら、この曲は“恋”や“愛”といった言葉はいっさい出てこないどころか、“好き”といった気持ちを直接的に表現していないのである。

代わりに、あのジャケ写のようにダンスしているふたりの男女が、そのメロディと歌詞から浮かんだ。“好き”といった想いを、ふたりの踊りで婉曲的に表現しているように感じ、そこにおもしろさを覚えた。

例えば、曲中には「駆け引き覗いて 震える明日に、ため息残して 崩れる足並み、思い通りに行かぬ憤り、揺れ動く内に 巻き起こせストーリー」といった歌詞が登場する。

大学時代に競技ダンスを体験してみたことがあるので分かるのだが、足並みひとつ揃える動作も本当に難しい。そのため、歌詞で駆け引きが見られるように、どちら片方でも“曖昧”だと、相手の足を踏んでしまう。息がぴったり揃っていないと、思い通りに行かないのである。

そして、例え相手が自分を試すような素振りを見せたとしても、この主人公は相手のことが好きだからこそ、お互いの気持ちがぴったり重なる、つまり両想いになるまで、恋愛という名のダンスを終わらせたくないのだろう。

 

“応援歌”にも聴こえる、WANIMAの「曖昧」

また、この曲は何も恋愛だけでなく、仕事や趣味などでも同じことが言えると思うのだ。

例えば、趣味がブログの人は、読者が求めている文章を考えすぎるあまり、かえっておもしろみのない記事が出来上がってしまい、読まれないことだってあるだろう。アクセス数がなかなか上がらないことへの不満から、匙を投げてしまう人も何人か見てきた。

それでも、“まだ終わらない”、“まだ足りない”、“まだ負けない”と思える人は、書くことが好きといった想いがあるからこそ、続けられているのだと思う。そして、楽しいからこそ、自然と続けているのだろう。

そうして何かを頑張る人の背中を押す“応援歌”のようにも聴こえたのだが、何かに対して本気の人はどれくらいいるだろうか。

 

試される“本気度”

私はというと、今年に入ってからようやく再び仕事や趣味などに打ち込めるようになってきた。

昨年の秋冬からやや身体が不調なのだが、それでも“まだ終わらない”し、“まだ足りない”し、“まだ負けない”と思いながら、仕事を続けている。ブログも思うように行かず、伸び悩む日々である。

本調子のときと比べてしまうと、どうしてもまだ全体的に本気度が戻ってきていないようにも感じるが、世の中、思い通りに行かないことはたくさんあると思っている。そうしたときに、どう行動するかが大切だと思うのだ。

いま試される“本気度”。時折、WANIMAの「曖昧」で自分を奮い立たせながら、自分の理想との華麗なダンスを繰り広げられるように、日々努めていきたい。

曖昧

曖昧

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マイベスト10曲を紡いで描く、ちゃんさき的ストーリー2021【年間ベストソング】

早いもので、もう12月だ。

2021年もさまざまな曲がリリースされた。そして、1年が終わりに近づくにつれ、多くの媒体、それからジャーナリスト、ライターからブロガーまで、音楽を愛する人たちが次々と年間ベストを発表し、各地で盛り上がりを見せている。

そんな楽しそうな“マイベスト祭”を見ていると、思わず参加したくなってしまうのが私なのである。

そこで、今年も昨年同様。たくさんの曲を聴く中で、特に気に入った10曲をピックアップ。それらの曲をストーリー形式で紹介するといったカタチでマイベストを発表していきたい。

また、全10曲のストーリーの下部には、選出理由も記載している。順に読むのでも、先に各曲の選出理由を読むのでも、あなたなりの読み方で愉しんでいってもらえたらうれしい。

いろいろあったこの1年。ちゃんさき氏にとっての2021年を、ここで振り返ってみよう。

 

長引く戦闘モード2021→2

今はできない“やりたいこと計画”

「温泉行きたい」「卓球がしたいよ」などの“やりたいこと”をたんまり詰め込んだ、ジェニーハイの「卓球モンキー」。

卓球モンキー

卓球モンキー

  • ジェニーハイ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

曲中には「サルゲッチュ」や「ダンスダンスレボリューション」など、少し懐かしいゲームを想起させる歌詞が散りばめられており、“サル(モンキー)”からは“温泉”を、“温泉”からは“卓球”を連想し、想像を広げているように感じる。

それはまるで、緊急事態宣言下における私たちを描いたようだ。“やりたいこと”をする代わりに、ゲームで遊びながら“おうち時間”を過ごしたり、想像を膨らませたりする自分の姿とどこか重なるところがあった。

今は“やりたいこと”をグッと堪え、ブルブル震えるほかない。

“君”と笑顔を分け合う幸せ

ロイ-RöE-の「YY」は、コロナ禍での自分の心境とどこか重なるところがあった。

YY

YY

  • ロイ-RöE-
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

コロナ禍で恋人や友だち、兄弟姉妹などの大切な人たちと一緒に過ごせていた状況が一変し、人となかなか逢えなくなったという人も少なくない。寂しさを感じている人も多いだろう。

“君”と笑顔を分け合うことがこの上ない幸せだと歌っているこの曲は、大切な人たちと笑いあっていた日々が懐かしく感じられたとともに、どんな状況に立たされようとも、LINEを中心としたツールで会話したり、オンラインプレイを楽しんだりして、“君”と笑顔を分け合うことができたら、それは最高の幸せなのだと改めて感じられた1曲だ。

実際に大切な人たちと逢うことには叶わないと思う。しかし、“君”と楽しい時間を過ごしたくて、私は今日も部屋でひとり、PCを開くのである。

“おうち時間”はゲーム三昧

そうして始めるのは、オンラインゲームだ。実際は部屋にひとりきりでも、画面越しに人と繋がっているため、少しも寂しくない。そんな風にして、私は今日も気を紛らわすのである。

VaVaの「Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]」は、そうした私の心境を描きつつ、バトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」を彷彿とさせるような遊び心のある歌詞が魅力的な1曲だ。

Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]

Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]

  • VaVa
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

曲中には実際に「Apex Legends」で遊んでいるかのような表現がふんだんに盛り込まれているだけでなく、“おうち時間”が増えたコロナ禍の現状も描かれている。

ひとつのことに没頭しやすい私は、そうしてゲームで遊ぶ時間も多かった。

ありのままの自分で這い上がれ

そうやって遊んでいるうちに、自分だけ置いてきぼりを食らうこととなる。仕事は勉強していたものの伸び悩み、恋愛は一向に進まない。周りを見渡せば、仕事で成功を収めたり、結婚したりと、何かと忙しそうにしている人たちが多かった。

そんな自分と重なったのが、櫻坂46の「BAN」で描かれている“僕”の姿である。

BAN

BAN

  • 櫻坂46
  • J-Pop
  • ¥255
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なんやかんやと遅れがちな“僕”は、きっとマイペースなのだろう。時間に弱い自分には“僕”の気持ちが分かるのだが、そんなことは言っていられないのが現実だ。さらには、人生。やり直しも効かない。自分の弱さを受け入れながら、逆境に立ち向かっていくほかないのである。

「僕は絶対BANされるものか」といった固い決意をもって、今、ここに這い上がるのだ。

闇を照らす、希望に満ちた光

決意を胸に、新しい自分へと一歩踏み出す勇気をもらえたのは、清水美依紗の「Starting Now ~新しい私へ」である。

Starting Now ~新しい私へ

Starting Now ~新しい私へ

  • 清水美依紗
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

まさに事を始めようと意気込む様子は、当時の私にぴったりだった。そしてその気迫に満ちた歌詞を堂々と歌い上げる清水美依紗に、何度背中を押してもらえたことだろう。

しかし、自分を変えることは、一見簡単なようで難しい。私は一度、失敗してしまうこととなる。

中に宿せ、“少年ハート”

気合い充分でも、自分らしさや自分のスタイル、自分の歩んできた道のりなどが変わろうとしている自分を邪魔して、身動きが取れなくなるといった新たな問題と衝突することとなる。

そんなときに自由だった子ども時代を想起させてくれたのが、Lucky Kilimanjaroの「KIDS」だった。

KIDS

KIDS

  • Lucky Kilimanjaro
  • J-Pop
  • ¥255
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もう子どもではいられない現実を踏まえつつも、少女時代に持っていた衝動や自由さについて何度も問いかけているこの曲が、固くなった心を柔らかくほぐしてくれた。

どうにも硬直していた身体は徐々に動かせるようになり、掴みたい夢を掴み、なりたい自分になるべく、再び歩き出せるようになっていった。

夢追いし人に掛ける“秘密の呪文”

そうして再び歩み出したのだが、今度は周りに理解されないことから、足を止めそうになってしまったことがあった。

そんなときに聴いたHO6LAの「ピリカリラ」は、希望を持たせてくれた。

ピリカリラ

ピリカリラ

  • HO6LA
  • エレクトロニック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

周りの“常識”や“普通”といった考えに縛られるのではなく、自分の夢や目標を追いかける大切さについて改めて教えてくれたのが、この曲だったのだ。

それでいて、アイドルたちが上手くいくように“秘密の呪文”を掛けてくれるのだが、この曲を聴き終わった頃には、本当に不思議と元気が湧いてくるのだった。

 

※ここまでノンフィクションでしたが、これから先はフィクションとなります。2022年への“抱負”を語ってみました。引き続き、ちゃんさきの描くストーリーをお楽しみください。

上昇気流で進む、マイライフ

そのまま上昇気流に乗り、甘い誘惑に負けそうになりながらも、力強く突き進んでいく。フレンズの「急上昇あたしの人生」は、そんな私の姿を描いているようだ。

急上昇あたしの人生

急上昇あたしの人生

  • フレンズ
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

急上昇したかと思いきや、あり得ないような急展開が待ち受けているストーリーは、まさに私の波瀾万丈な人生そのもの。さまざまなことを経験しながら、これからも掲げた夢や目標に向かってアグレッシブに突き進んでいく私自身が浮かんだ。

納得のいくまで目を逸らさずに向き合った先に、“光”が待ち受けているのではないだろうか。

本気で遊ぶ、“青春ごっこ

岡崎体育の「深夜高速」は、夢を追いかけ続けるものに送る、最高の応援歌だ。

深夜高速

深夜高速

未来は少し先までしか想像つかないが、真っ暗で何も見えない中でも、情熱があるからこそ、身体が突き動かされるのだ。そして、夢を叶えても、また次の夢へと挑み続けるのである。

「生きててよかった」。そう感じるのは、何も夢を掴めたときだけではない。いつだって“青春ごっこ”を全力で楽しんでいるからこそ、「生きててよかった」と思えるのだ。

これからも私は“いまこの瞬間”を大切に、ずっと生きてゆくのだろう。

勢いよくひた走れ

そのまま“終演”まで走り抜けていきそうな勢いがあるように感じたのは、yamaの「血流」である。

血流

血流

  • yama
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  • ¥255
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生まれた意味は誰も分からないが、それでも自分の心が描くままに、私は自分のストーリーをこれからも描いていくに違いない。

今後も夢や目標に向かって、ずっと駆けていくのだろう。

 

選出理由

1曲目:ジェニーハイ「卓球モンキー」

12月現時点では、ワクチン接種が広く行き渡り、感染者数が大幅に減少。飲食やイベント、移動などにおける行動制限も緩和されつつあるが、昨年に引き続き、今年も何度も自粛が要求されてきた。度重なる緊急事態宣言などで世間が重たい空気に包まれる中、“やりたいこと”はますます膨らむばかり。ジェニーハイの「卓球モンキー」は、そんな“やりたいこと”が溜まりに溜まった私たちの不満を、“負の感情”をいっさい感じさせることなく、上手く昇華させた曲のように思っている。遊び心あふれる歌詞、それからボーカル・中嶋イッキュウによる語りを入れるといった新たな試みにも挑戦し、曲を華麗に彩ってゆく。楽器隊の奏でる、ますますブラッシュアップされているように感じるサウンドが重なることで、曲に鮮やかさがプラスされるのだ。この“お笑いのプロ”と“音楽のプロ”が織りなす絶妙なハーモニーには、感動すら覚えた。そんな魅力たっぷりな「卓球モンキー」に、すっかり魅入られっぱなしである。

2曲目:ロイ-RöE-「YY」

コロナ禍で人と会話する機会や逢う時間が減ったり、不安やストレスを抱えていたりするうちに、笑顔が減った人が多いように感じている。また、SNSでは、自分と異なる意見を持つ人に対して必要以上に攻撃する人も目立つようになった。日本テレビ系2021年7月期水曜ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子〜』のOPとして起用されたロイ-RöE-の「YY」は、ドラマの世界観を反映しているように感じただけでなく、そういった現実のリアルな“声”も踏まえて、笑顔を分け合うことの幸せさや、ちゃんとした愛をもって接することの大切さなどを彼女なりの言葉で説いているように思っている。現在も不平や不満が溜まっている人は少なくない。また、口論や喧嘩などの争いごとも絶えないからこそ、愛にあふれた「YY」を選出。キラリと光るやさしさを改めて感じてほしい。

3曲目:VaVa「Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]」

VaVaの“Apex愛”が感じられるところに好感を抱いた1曲だ。3人1組のトリオとなり、それぞれのチームがチャンピオンを目指して戦うバトルロイヤルシューティングゲーム「Apex Legends」の魅力をたんまり詰め込んでいる「Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]」。それは、VaVaが実際にApexで遊んでおり、またこのゲームのファンだからこそ、書ける表現があると思っている。例えば「繰り返す負け、盾を巻けばおk」といった歌詞は、ゲーマーなら、ノックダウンされた仲間をシールドで守りながら素早く復活させることのできるアビリティをもったレジェンド(プレイヤーが選ぶことのできるキャラクター)・ライフラインのことが連想できるような表現となっている。そうした“ゲーム愛”が至るところに散りばめられているため、コアなファンにこそ、より響く歌のように感じるのだ。何かを好きな人による話はおもしろく感じるように、VaVaの“Apexが好き”といった気持ちが炸裂している「Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]」も、興味深く感じられるものがあった。

4曲目:櫻坂46「BAN」

時にスカートをはためかせながら舞う、櫻坂46。しなやかさとキレのよさの両方を取り入れたJAZZ HIPHOPのようなダンスに、WAACK、さらにはLOCKのムーブも取り入れた堂々たるパフォーマンスで魅せていく彼女たちには、凛とした美しさが感じられた。そのダイナミックなパフォーマンスだけでも惹きつけられるものがあるのだが、そこに彼女たちが魅せる豊かな表情も加わることで、たちまち「BAN」の世界観に惹き込まれてしまうのである。BANされることに対する怒りや悲しさ、悔しさなどの“負の感情”をダンス、表情ともに表現しつつも、一人ひとりの瞳にはどんな状況をも屈しない力強さが宿る。さらには、今いる逆境さえも楽しんでいるかのように、時折、不敵な笑みを浮かべてみせる彼女たち。それは、まさに「どんな状況に追い込まれても 僕は絶対BANされるものか」と言っているようだ。ワクワクを超えてゾクゾクさせられた、櫻坂46の「BAN」。その洗練された、豊かな表現力を高く評価したい。

5曲目:清水美依紗「Starting Now ~新しい私へ」

“勇気と優しさ”をテーマに、世界規模で展開されているディズニープリンセスの祭典「アルティメット・プリンセス・セレブレーション(Ultimate Princess Celebration)」。その日本版テーマソング「Starting Now ~新しい私へ」を力強く堂々と歌い上げているのは、清水美依紗だ。ディズニープリンセスを愛する彼女が、TikTokで多くのディズニーソングを含むさまざまな楽曲を投稿したことをきっかけにディズニーサイドから声が掛かり、夢だった歌手としてデビューしたプロセスは、まさにシンデレラストーリーである。そんな“シンデレラガール”がまさに新しい自分へと一歩踏み出した姿は、楽曲と重なるところもあり、大いに揺さぶられるものがあった。また、この曲の訳詞も彼女が手掛けているから、驚きだ。清水美依紗の伸びやかな歌唱力は聴くものを勇気づけるだけでなく、歌手として新たな一歩を踏み出し始めた“新しい自分”への期待感も伝わってくるように感じた。そんな彼女がシンデレラストーリーを掴んだ“夢の続き”も待ち望んでいる。

6曲目:Lucky Kilimanjaro「KIDS」

Lucky Kilimanjaroの「KIDS」の中でキーとなる部分は、「それより Dead Poets Society ウチで一緒に観ない?」といった歌詞にあると思っている。『Dead Poets Society(※邦題『いまを生きる』)』は映画で、規律や伝統を重んじるエリート高校に新しくやってきた破天荒な英語の教師が、生徒たちに“いまを生きる”大切さを説いていき、生徒たちは次第に型にハマった考え方から自由であることや自分のやりたいことなどに目覚めていくというのがざっくりとした内容だ。おそらくコロナ禍で外出する回数が減り、家で映画を観ることが増えたのだろう。そして、そのうちのひとつが『Dead Poets Society』だと思われるのだが、「KIDS」はそうした映画の特徴と現状を踏まえて描かれたものだと思っている。コロナ禍で社会やライフスタイル、働き方などが次々と変化する中、周りからの批判や否定を恐れたり、同調圧力に負けてしまったりして、自分の本心を抑え込んでしまっている人も少なくないと思うのだ。『Dead Poets Society』のメッセージ性が含まれた、Lucky Kilimanjaroの「KIDS」。それはきっと、いつだって色褪せないものなのだろう。そうした“大切なこと”に改めて耳を傾けてほしい。

7曲目:HO6LA「ピリカリラ」

“限られた時間の中で夢を叶えて解散するユニット”というコンセプトのもと、夢だった武道館でのワンマンライブを実現して解散した、元CY8ERの苺りなはむ。そんな彼女が過去に在籍していた元BiSの2期メンバー(※苺りなはむは1期メンバー)パンルナリーフィの武道館に立つという夢を叶えるべく、結成したのがHO6LAである。HO6LAでも引き続きプロデューサーを務める苺りなはむがファーストシングルの表題曲「ピリカリラ」のプロデュース、および作詞を手掛けており、“パンルナのための物語”であることを強調させたような歌詞がまさにHO6LAのスタートにふさわしい1曲となっている。一部のファンからは、楽曲がCY8ERと似ていることから、“なぜCY8ERは解散する必要があったのか”といった疑問の声も見られたが、自分の夢を叶えた上で他の人の夢を全力でサポートする苺りなはむの生き様はカッコよく感じる。そんな彼女が支えるHO6LAの“これから”も非常に楽しみだ。

8曲目:フレンズ「急上昇あたしの人生」

新体制となったフレンズがリリースした「急上昇あたしの人生」は、これまで鳴らしていたシティポップから一変。突然の心を躍らすダンスナンバーで、驚かせてみせた。それは、主題歌として書き下ろしたというひかりTVオリジナルドラマ『取り立て屋ハニーズ』の影響も受けているのかもしれないが、新たな局面を迎えたこの曲のMVで、ボーカルのえみそんが初めてMV監督を担当。企画立案から演出までを手掛けたところに、並々ならぬ気合いを感じた。そして、そんな彼女のバイタリティーは、歌詞にもあふれ出ている。時折見せる弱さは人間らしさを感じられるが、曲中で貫かれているのは“攻めの姿勢”である。“饒舌な囁き”や“どよめいた壮絶な輝き”に惑わされそうになりながらも、アグレッシブに突き進むえみそんら。そんなフレンズが歌う「急上昇あたしの人生」に勇気づけながらも、応援したくなったナンバーである。

9曲目:岡崎体育「深夜高速」

岡崎体育がカバーするフラワーカンパニーズの名曲「深夜高速」をはじめて聴いたのは、横浜アリーナだった。「めっちゃめちゃおもしろライブ」と題したワンマンライブで、テレビCM「ともに、前へ」が流れる場面があったのだ。これまで何度も“夢”について、ライブで、SNSで、語ってきた岡崎体育だ。さいたまスーパーアリーナでワンマンをするといった夢を叶えるまでは、何べんも「いつかはさいたまスーパーアリーナで口パクやってやるんだ 絶対」と、楽曲「Explain」やMCを通して“説明”されてきたほか、SNSでもその夢についてよく語っているのを見てきた。その後も、彼は夢を持ち続け、SNSで「死ぬまでにやりたい100のことリスト」を公開したこともあった。そんな彼ががむしゃらに「深夜高速」を歌い上げるからこそ、彼の熱意や情熱などの想いが強烈に感じられ、心が震えた。これからも彼はずっと種をまいていくのだろう。そうした岡崎体育の生き様が自然と重なる「深夜高速」は、聴くものを鼓舞してくれるだけでなく、名曲を更新してきたように感じた。

10曲目:yama「血流」

yamaの曲と出逢ったのは、新宿の大型ビジョンがきっかけだ。どこか憂いを帯びつつも力強く歌う声に心を奪われ、ビジョンを見上げたところ、そこに「春を告げる」と書かれてあった。孤独な夜にそっと寄り添うように歌う「春を告げる」は、温かかった。その後、さらに熱を帯びたのが、「麻痺」である。今度は闘志をむき出しに、エモーショナルに歌ってみせたyama。そんなyamaの歌声に、再び痺れた瞬間だった。そして、今回。またもや心を震わせたのが「血流」である。“産声”と“終演”、“朝”と“夜”といった対になるワードを織り交ぜながら、“ずっと流れてる 奇跡の色”、つまりは「血流」で相反するワードを華麗に繋げてみせる、巧みな技を導入。さらには収録アルバムの『the meaning of life』に繋がるように、“人生の意義”についても考えさせられる内容となっている。yamaのソウルフルな歌声だけでなく、このように隅々まで工夫された歌詞に驚かされたのは、今回の「血流」がはじめてだった。アルバム『the meaning of life』の中でも、とりわけ惹かれた1曲だ。

 

終わりに

10曲で紡いだ、ちゃんさきのストーリー。いかがだっただろうか。

今年も楽しんでいただけたら、うれしい。

最後に目次を記しておくので、気になった曲はぜひ聴いてみてほしい。

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