ミュージック バンク

ミュージック バンク

邦ロック、J-POP、洋楽などの楽曲紹介記事やライブレポートを不定期で更新中。独断と偏見で綴っています。

転職活動中の人にはこう聴こえる! Devil ANTHEM.の12曲でエントリーから内定までの心理状況を表現してみた

このブログを読んでいただいている方は既にお気づきだと思うのだが、筆者は今、転職活動をしている。 

そして、なかなか決まらず、たまに落ち込むこともあった。

そんな私を励ましてくれているのが、“沸ける正統派アイドル”Devil ANTHEM.(通称:デビアン)の存在だ。

第一弾のライブレポートでは、デビアンを好きな理由などについて語ったが、今回は、今の生活を記録しておくためにも、エントリーから内定までの各プロセスの心理状況を楽曲ごとに描写してみようと思う。

デビアンの楽曲を聴く中で、転職活動中の心理状況と結びつく楽曲が多いことに気づいたことがきっかけだ。

※第一弾のライブレポートはこちら

「覚醒WOW WOW」 → 現職での違和感

“自分で選んだはずなのに なぜなぜ 心は満たされない 本当は気付いてるその理由 でも弱い心は認めはしない”といった歌詞から始まる「覚醒WOW WOW」。就職した企業では心からやりたいことができなかったとき、このように感じる人も少なくないのではないだろうか。

そして、“そんな日々の先には どんな未来があるの”だろうか。この先も後悔の“涙流す”日々が待っているのではないかと思う。

この曲は“そんな日々はもう終わり”にしよう、と言っている。“譲れない 想い”を握りしめて、“理想の自分へアップデート”しようと言っている。

転職活動という名の“革命”を起こすときがやってきたのだ。

「ALRIGHT」 → 転職活動への意欲

“Make a story...”で始まり、同フレーズで締めくくられる「ALRIGHT」では、自由に思い描いた未来へ向かって踏み出そうといったようなメッセージが伝わってくる1曲。

何度も繰り返される“Gonna be alright”という歌詞からは、「やりたい業種や職種にきっと就けるよ、大丈夫だよ」といった自分へのエールにも感じられるだろう。

“新しいチャレンジに 戸惑いもある”かもしれないが、この曲は背中を力強く押してくれるに違いない。

「恋する乙女のクライシス。」 → 企業への興味

ものすごく行きたいと思える企業に出逢ってしまったとき、「ここじゃなきゃダメ!」といったような情熱がほとばしり、まるで恋に落ちたような感覚になる人も多いのではないだろうか。しかし、同時に「強敵たくさんいそう」「落ちたら嫌だなあ」といった不安に苛まれて尻込みしてしまうこともあるだろう。

そんなとき、オススメするのが「恋する乙女のクライシス。」。悪魔の“劣等感に焦燥感”といったメッセージを振り払い、天使からの“行動力に忍耐力”といったアドバイスを受け取りながら、“最上級の愛をキミ(企業)にあげる”のである。

その情熱は、きっと企業にも伝わるのではないだろうか。

「らすとご!!」 → 適性検査

授業が終わるまでのラスト5分をカウントしている「らすとご!!」。この曲の長さもきっかり5分となっている。

本来はそんな心が躍る様子を表現した曲となっているが、何度も“あと5分”とリピートされる歌詞は、まるで適性検査であと5分しかないと焦燥感に駆られてしまう気持ちと似ているのではないだろうか。

「あなたにANTHEM」 → 面接前の朝

“あーもう朝だー”と呟くセリフから始まる「あなたにANTHEM」。

“ちょちょちょっと待って!”や“ヤダヤダ待ってなんからんないYO!”と交互に繰り返されるフレーズでは、時間と戦う様子がコミカルに描かれ、時間がない朝を表現している。

また、“掴み取るよ! 掴み取るよ! チャンス1度きりだけ”や“今しかない! 今しかない! 巡り来たこのチャンス”の他、“遠い道のりだとしても チャンスは必ず掴みたい”といった歌詞はまさに行きたい企業の内定を勝ち取りたい面接前の気持ちにぴったり。

「Only Your Angel」 → 面接中

必死に面接官にアピールする光景が浮かんだ「Only Your Angel」。

“あっちこちに 溢れてる カワイイ女子ではない ちょっとチクっと トゲがある それがわたしです”と自己開示したかと思いきや、“ちょっとわざと 君のタイプ 狙ってる服を着て ふいにフワッと 笑顔で アピールしたりね”と、とにかく行きたい企業に入るため、一心不乱に全力を尽くしている様子が感じられる。

また、“不思議な程に そう 惹かれて行くの 理由なんてないの 全部 全部 好きで”や、“止めようとしてもダメ 加速する想い 傷ついてもいいの 全部 全部 知りたい”と、想いが熱すぎるあまり、もはや企業に恋をしてしまっている状況だ。

これでは、企業も困ってしまうのではないだろうか。

「EMOTIONAL」 → お祈りメール

“分からなくなるんだ 息を切らして走り続ける意味 抱え込んだ悩み いつか笑えるときがくるのかな”というフレーズから始まる「EMOTIONAL」。ものすごく行きたい企業からお祈りメールが届いてしまったとき、思わずこんな心境になってしまう人も多いのではないだろうか。

しかし、どうしても掴みたい夢を持っている人は、“このままじゃまだ終われない”し、“遠回りしても諦めたくない”と思うだろう。立ち止まることはあっても、自分を信じて、再び夢に向かって突き進んでいくに違いない。

「BE AMBITIOUS!!」 → 周囲からのエール

“Don't mind! 大丈夫だよ 落ち込む必要ないんだ 次に来るチャンスはそうキミのものだよ”の他、“悩むとききっとあるけど そんなときこそ踏み出そう 強い気持ち忘れずに!”といった「BE AMBITIOUS!!」の歌詞からは、行きたい業界や業種の面接に落ち、落胆しているときに聴きたくなるような1曲となっている。

この曲を聴けば、どこからかパワーがみなぎり、“まだまだ終われるわけないじゃん”といった気持ちにさせてくれるだろう。

「Fever」 → 2社目に挑戦

“まだまだやれるはずだ 掴み取るんだ!”や“どんな困難だって立ち向かうぞ!”の他、“夢をNever give up! 諦めない!”、“よっしゃ!どうか期待しててね!これからのハイなステージ ”と心がメラメラ燃えている様子が感じ取れる「Fever」。

1社目で上手くいかなかったものの、どうしても行きたい業界、あるいはやってみたい職種なのだろう。そこで終わりにせず、“行動しなくちゃはじまらない”、“今が頑張りどきなんだ”とやる気に満ち満ちた様子でめげずに2社目に挑戦している姿が想像できるのではないだろうか。

そうして頑張っている姿を、引き続き友だちや家族などの周りの人たちが温かく見守っているのだろう。“気づけばみんないてくれて ホント ホントに幸せ”という歌詞からはそんな光景が浮かんだ。

「MY WAY」 → n社目に挑戦

“行くよ! Let's go! Stand up! Find a way! 向かい風にも負けずに 全力で 全力で走り出せ”というフレーズが印象的な「MY WAY」。

“描いている夢はまだまだ遠くて”なかなか簡単には上手くいかないことから、“くじけそうにもなる”のだろう。しかし、何度選考で“躓いても 擦りむいても”、どうしてもあきらめられない夢だからこそ、それを叶えるために“ただ前に進み続けたい”といった想いや、“絶対に 絶対に叶えるよ”という情熱にあふれているのではないだろうか。

「以心伝心」 → 意思確認

“出逢えてサンキュー ほんとサンキュー これって奇跡だよね”という「以心伝心」のサビからは、ようやく自分にふさわしい企業が見つかったのだろう、と想起せずにはいられない。

また、“心配しないでね いつでも一緒だから”といった頼りになる言葉には、思わず安堵のため息が漏れてしまう人もいるのではないかと思う。“通じ合えるよ どんなときも ほら 以心伝心で”、“かけがえのない強いキズナ 僕を照らすよ ずっと”といった歌詞からも、自分と相性の良い企業と出逢えたことが見受けられるだろう。

「Fly」 → 内定

爽やかな風が感じられるような、軽やかでポップな曲調が印象的な「Fly」。

“窓を開けたら広がる 新しい空”や“ココロ弾むような出来事が きっとこれから始まる”といった歌詞からは、就職先が決まり、新しい職場に対するワクワク感や期待で胸がいっぱいになっているように感じられる。

また、サビの“未来までFly away! どこまでもOn my way!”といった箇所では、自分らしさを忘れずに、自分が考える理想的な未来をイメージすることで飛躍できる、というポジティブなメッセージが込められているように思った。

感想

私の転職活動がいつ終わるのかはまだわからないが、なんとなくもうすぐ終わる気がしてならない。

たまにデビアンのライブに行くなどの息抜きを挟みながら、最後まで自分を信じて頑張りたいと思う。

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浴衣姿のかえでちゃんとの2ショット

岡崎体育の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”! SSAで魅せたロックスピリット

最高にロックな時間だった。

かねてからさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを目標に掲げてきた、シンガーソングライター・岡崎体育

7年前から見続けたその夢を、6月9日、ついに現実にする日がやってきた。

この日、岡崎体育は18,000人もの観客を集客することに成功し、一人ひとりを彼のユニークな世界観へと引き込んでいった。

ライブのタイトルは「BASIN TECHNO」。自らの音楽スタイルとおんなじ名前だ。岡崎さん自身を表すのにぴったりのタイトルだと思った。

ついにやってきた“その日”

オープニングでは、岡崎体育のシルエットが大きく映し出され、胸のあたりに「BASIN TECHNO」の文字が一文字ずつレーザーでくっきりと描かれていく。

岡崎さんが、何度「いつかはさいたまスーパーアリーナで口パクやってやるんだ 絶対」と公言してきたかわからない。少なくとも私は岡崎さんのライブに行くたんびに、何度もその夢を岡崎さんに“説明”されてきた。“説明”されるたんびに、応援してきた。私も夢を追いかけているからこそ、絶対に岡崎さんに叶えてほしかった。

そして、“その日”が来るのがどれだけ待ち遠しかったかわからない。それは、もちろん岡崎さんもそうだろう。岡崎さんがいちばんそう思っているのに違いない。

映し出された影法師がなんとなくそれを物語っていた。岡崎さんが片手に持っていたマイクに相当な力が込められているように感じた。

そして、岡崎さんが登場すると、彼は力強く叫んだ。

「夢を叶えに来ました!」

自然と笑みがこぼれる。気づけば、拍手にも一段と力が入っていた。

“この日”だけのスペシャルパフォーマンス

岡崎さんはこの日、サイレントパフォーマンスを繰り広げたり、宙を舞ったり、原付バイクでステージを走り回ったり、ディズニーのエレクトリカルパレードを彷彿とさせるトロッコで会場を1周したりと、この日だけのスペシャルなパフォーマンスも多々見せてくれた。

他にも、スタッフに扮していた藤木直人さんがステージに登場したり、エノキで周囲を飾り付けられた中央ステージでお友だち・てっくんがメジャーデビュー曲「フェイクファー」を披露したり、だいぶ早いバースデーケーキが突然出現して引っ込んだりと、さまざまなサプライズがあった。

岡崎さんが好きなことをとことん、笑顔で、楽しそうにやっていた姿は、私にはとても輝いて見えた。夢を叶える人は、周りの人に夢を見させてくれる人なんだと思った。

岡崎体育から学んだこと

だが、岡崎さんはいつも通りのことをいつも通りやっているだけだと言っていたことが忘れられなかった。いつも通りのことをいつも通りやることというのは、そう簡単なことではないように感じる。

MCで、岡崎さんは会場を指差しながら、ひと区画を集めるにも5年かかったと言っていた。5年前は1人か2人のお客さんしか集まらなかったそうだ。

また、チケットの予約数が100人という目標を到達してよろこんでいたものの、当日台風が直撃してしまった日のことも明かしてくれた。最終的には90人近くのお客さんが来てくれたことがうれしかったと話し、感謝していた。

悲しそうな表情もいっさい見せずに、淡々と語っていた。岡崎さんに凛とした強さを感じた瞬間だった。当時から自分なりのパフォーマンススタイルを貫いてきたというのも尊敬する。

私にも出版社に勤めたいという目標があった。まずは記者という形で入り、ゆくゆくは編集者として働きたかった。そのために自分の得意なことを伸ばそうと、好きなアーティストのライブへ行ってライブレポートを書いたり、企画案を誰よりも考えたりした。

ただ、頑張りすぎて空回りし、徐々に自分を見失ってしまい、病気が再発。さらには周りの一部の人に理解されず、冷たくされるといった日々を経験した。自分のペースが崩れてしまった結果、夢を手放すこととなってしまった。

今となってはものすごく後悔している。だからこそ、この日披露された“大事なものをなくして 大事なものを見つけた”という「The Abyss」の歌詞が沁みた。そして、ヤバイTシャツ屋さんら多数のアーティスト、芸能関係者の他、小さな子どもから大人まで、たくさんの人に愛されながら、自分のペースを見失わずに好きなことを貫き通す岡崎さんのライブにものすごく感動した。

さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブは、さまざまな人に夢や希望、そして笑顔を与えてくれたに違いない。好きなことを貫きながら、自分らしい方法でずっと継続していける人、それが夢を叶えるための方法なのだと思った。

ここで終わらない岡崎体育

最後に岡崎さんは「Explain」を披露してくれた。“さいたまスーパーアリーナで口パクやってやる”と、何度も岡崎さんに“説明”されてきた夢をついに叶えたのだ。「この場をもって最後」という言葉とともに披露された同曲のイントロで、私は感極まって涙した。

でも、岡崎さんは違った。彼は決して泣かなかった。それどころか、ずっと笑顔だった。終始笑顔で気持ちよさそうに楽しんでいた。

岡崎さんはここで終わらない。夢が叶って、そこで終わりじゃない。岡崎さんは大阪の体育館で来年の2月にワンマンライブを開催することが決定している。これからも次から次へと目標に向かって歩み続けるに違いない。

彼の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”のだ。オープニングで映し出されたシルエットの意味は、そんなメッセージを伝えてくれているように感じた。

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岡崎体育の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”だろう

MASQUERADE HOTEL、“フューチャーR&Bの新貴公子たち”がサウンドで魅せるエモさ

最近、何かと使われている「エモい」という言葉。

古語の「あはれ」と同じような意味で、感動した、切ない、寂しい、懐かしい、などの複数の感情がごちゃ混ぜとなった、漠然とした感情を表すのに用いられている。

私はこれまで「エモい」という表現を使ったことは一度もなかった。代わりに、自分の中に沸き起こるさまざまな感情を、なるべく具体的に、一つひとつ説明しようと思い、そう努めてきたつもりだ。

これから先も使う予定はない、と思っていた。 …バンド・MASQUERADE HOTELの曲を聴くまでは。

彼らの楽曲は、エモかった。いろんな感情が渦巻くあまり、「エモい」しか出てこなかった。

そして、気づいたときにはすでに遅かった。“私の初めて”は、何気なくMASQUERADE HOTELに奪われたのだった。

ちょっぴり悔しかったが、彼らの音楽はやっぱり“エモい”。

今回の記事は、そんなMASQUERADE HOTELの“エモさ”を筆者なりに追究したものとなっている。

MASQUERADE HOTELの“エモさ”

R&Bやジャズ、トラップなどのアーバン・ミュージックに、少しだけエレクトロな要素が加えられた、セクシーかつお洒落な曲調。

そこにボーカル・syunのやさしくも甘い歌声が重なることで、さらなる艶やかさが醸し出される。

MASQUERADE HOTELの魅力は、その大人なサウンド面にあるのではないか。

「LOST ALONE」

まずは、彼らのファーストシングル「LOST ALONE」を聴いてほしい。

溢れ出してもう 感情消えなくてずっと 大人しくなれない 君には戻れない

願ってた「もう一度」 Sadness 繰り返すだけなら もう二度と触れないように 大人しく 仕舞い込む

“溢れ出して”というフレーズとともに一段と大きくなるサウンドは、失恋した主人公の感情が一気にこみ上げてくる様子を表現しているかのようだ。

さらに、“溢れ出してもう 感情消えなくてずっと”、“願ってた「もう一度」 Sadness 繰り返すだけなら”という歌詞の部分で、エレクトロサウンドが“リフレイン”されている。

サウンドを歌詞に重ね合わせながら強調することで、一気に楽曲に浸りやすくしているのだろうか。小さなこだわりが丁寧に積み重ねられているのが魅力的だ。

通り過ぎる 君との日々 「くだらない」の繰り返しでも なんか 愛おしい

その冷たい指解いて 優しさなんかで埋めないで 塗りつぶして はじめから 何事もなかったかのように

このあと流れるサックスの音色も絶妙だ。途中、短いクラクションのような音が流れる瞬間もあり、物事が“ストップ”して思うように進まない気持ちに拍車をかけているように感じた。

そして、この頃には、すっかり主人公に同情してしまっている私がいた。

Let me cry 涙流れた あの日からずっと 君を抱きしめたい 温もりは冷めない

行く宛も わからない 愛情が絡まって乱れたままなら

微睡みが醒めない間に 大人しく 落ちて行こう

“涙流れた あの日からずっと”、“行く宛も わからない 愛情が絡まって乱れたままなら” の箇所でもエレクトロサウンドのリフレインがある。ここでも、歌詞とサウンドがぴったり合わさり、ますます主人公の世界観にじりじりと引き込まれて行ってしまう。

その後はエレクトロサウンドがひたすら繰り返されることからも、主人公がしばらく失恋から立ち直れない様子が伝わってくる。

本能に訴えかけているような、奥深くて複雑なリズムパターンに思わず胸を打たれたのだった。

「Up to U」

続いて、セカンドシングル「Up to U」を聴いてほしい。

アッパーチューンなエレクトロR&Bとなっており、その奥深いリズムからグルーヴに酔いしれることができる。

お洒落なサウンドを彩るピアノの音色も鳴り響き、美しさがひとしお。

本能を刺激してくるような“エモさ”を感じた一曲だ。

「secret」

最後に、サードシングル「secret」を聴いてほしい。

美しさと愛らしさが欲しいという、大人な女性のロマンスを描いたような世界観が堪能できる。

そんな“秘密”を少しだけ、覗いてみてはいかがだろうか。

 

…それにしても、やっぱりエモい。

Devil ANTHEM.が私のハートを征服中! “沸ける正統派アイドル”に首ったけ

“沸ける正統派アイドル”をコンセプトに掲げている、Devil ANTHEM.(通称、デビアン)。

今回は、5月19日に開催された、デビアンの5月定期公演「Leap~KURUMI.プロデュース公演~」の模様をレポートする。

デビアンの魅力とは?

私の中でデビアンが沸騰している。

筆者はこれまで邦ロックを中心に、ポップスやEDMなども好んで聴いてきた。好きなアイドルは“メタルアイドル”BABYMETALや、“テクノポップアイドル”Perfumeぐらいだった。彼女たちを観るためライブやフェスに行くこともあるが、年に1回程度。しかし、そんな私が何度もライブに足を運びたくなるくらい夢中になっているアイドルは、デビアンが初めてだ。

デビアンの曲は歌声はかわいらしいが、いわゆる“アイドルらしさ”を感じさせない。ポップスやロックテイストの楽曲もあるものの、ゴリッゴリのハードスタイルも取り入れた“本格派”なEDMに合わせて歌って踊るアイドルは初めて観た。思わず、衝撃が走る。すごいアイドルを見つけてしまったと思った。私は動画から目を離せずにはいられなかった。

彼女たちの魅力はサウンド面にとどまらない。ライブではメンバーと一緒になって踊ることができる他、デビアンオリジナルコールもいくつか存在する。ロックバンドのライブやフェスにはよく行くが、バンドとは異なるパフォーマンススタイルが私にとっては新鮮に感じられ、目を見張るものがあった。

また、メンバーそれぞれの魅力を自分たちで分かっていることもデビアンの強みなのではないかと思う。今回開催された公演は、メンバーのKURUMI.(以下、くるみちゃん)がライブのセトリから特典会のコンセプトまで考えて行われたものだった。メンバー自身でも魅力を引き出せるからこそ、観るものをたちまち虜にしてしまうのだろう。

くるみちゃんプロデュース公演

暗転すると、デビアンは早速「Flashover」でスタートを切った。スウィングの効いたビートがエレクトロサウンドと調和している同曲のメロディに合わせて、爽やかにダンスを披露していくメンバー。星を描くような振付も交えながら、“光”に向かうため困難を乗り越えて突き進んでいくようなダンスが印象的だ。

続いて披露されたのは「LINK」。愛らしく踊る爽やかポップな曲調から一転し、キレッキレなシャッフルダンスを踊るハードスタイルに突入していく。このギャップと、心にダイレクトに鳴り響く重低音がたまらない。

その後はどこか切なさが漂う爽やかチューン「Replay」へと紡いだかと思いきや、打って変わって4つ打ちハードスタイルの「Like a 熱帯夜」にバトンタッチ。迫力のあるサウンドとダンスで会場をヒートアップさせたまま、エレクトロポップなハードコア「Fever」の人気曲へと持ち込んでいく。

コールが連発する同曲では、家虎、スタンダードMIX、ジャパニーズMIXなどのアイドル定番コールだけで終わらせない。

(竹越)くるみちゃんに向かって「タケコシファイヤー!」、YUME.(以下、ゆめちゃん)とKAEDE.(以下、かえでちゃん)には「萌え萌えキュン」などのコールが飛び交うパートがある他、「あるよー!」「オレモー!」などのデビアンオリジナルコールも存在する。

とにかく楽しいだけでなく、コール発動後のメンバーたちによるとびっきりの笑顔や、かえでちゃんが「ありがとうー!」と感謝の気持ちを叫ぶパートが見どころとなっている。

毎回ラストのサビでは、フロアはマサイをする人であふれかえっているが、この日の熱狂ぶりも負けていなかった。ファンは一瞬、一瞬を大切に、みんなで盛り上がっていた。「Fever」でラストを飾らずに中盤に持ってきているのも、余韻に浸るよりも今この瞬間を楽しんでほしいというメッセージが込められているのではないかと思った。

自己紹介などのMCを挟み、後半戦はファンクナンバー「Only Your Angel」でキックオフ。手を振ったり、指を上に左右にとさしたり。会場は振りコピをする観客であふれていた。

続く「EMOTIONAL」では、疾走感あふれるロックテイストなサウンドとともにデビアンなりの“応援ソング”を届け、遊び心あふれるナンバー「OMONPAKARU」へと繋げた。

その後は「Darkside」「Fake Factor」の2曲を続けざまに披露し、ライブは終了。彼シャツ姿のメンバーが登場する特典会へと移っていき、くるみちゃんプロデュース公演は大盛況に終わった。

感想

くるみちゃんは一人ひとりのメンバーの良さを引き出しつつ、彼シャツというファンが喜びそうな特典会の衣装を、高校生なりの視点で考え抜いてくれたことに驚いた。

堂々たるパフォーマンスを元気いっぱいに魅せてくれるくるみちゃん、見るものを幸せにするような笑顔が特徴的なかえでちゃん、どこか不思議なトークが魅力の美少女・ゆめちゃん。

それから、ぱっちり目でにこやかに微笑み返してくれる、みんなのアイドル・あいりちゃん(メンバー・AIRI.)、そして目を細めて楽しそうに笑う姿が印象的な、ちょっぴりセクシーなあきらちゃん(メンバー・AKIRA.)。

デビアンに首ったけ。ライブだけでなく、メンバーが成長していく姿にもますます目が離せなくなりそうだ。

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彼シャツ姿のかえでちゃんとの2ショット

今週のお題「アイドルをつづる」

マキシマム ザ ホルモン2号店が出した、唯一無二の味

音楽業界初のフランチャイズ制を導入したマキシマム ザ ホルモン

これまでYouTube上のドキュメンタリー番組「ガチンコ ザ ホルモン~コッテリの継承者たち~」でオーディションの模様が配信されてきたが、本店の選考で採用された5名の“店員(メンバー)”からなる2号店がついに“開店”し、5月5日に行われた埼玉史上最大のロックフェス「VIVA LA ROCK 2019」に初上陸した。

今回は、そんな2号店の初ライブの模様を筆者の感想を交えながらレポートする。

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マキシマム ザ ホルモン2号店が出してくれた、“あの味”が忘れられない

はじめに

忘れられない味は、あるだろうか。

残業で疲れていたときに上司が買ってきてくれたアイスの味、好きな人と一緒に食べたごはんの味。みんなひとつやふたつはあるのではないかな、と思う。

私にとっての一番忘れられない味は、マキシマム ザ ホルモン2号店が提供してくれたものとなった。

 

ホルモン2号店が提供してくれた味は、美味しかった。

心まで染み渡るような熱いスープ(ロックスピリット)、スープによく絡む麺(サウンド)、それからこだわりのトッピング(個性)。いろんな旨味がにじみ出ていたが、全てが喧嘩せずに仲良く溶け込んでいた。

そして、そんなラーメン(音楽)を湯気(熱気)が出る中、美味しそうにすする客(腹ペコ ※ファンの総称)と、気前よく提供してくれた店員(メンバー)。

全てが忘れられないものとなった。

ライブレポート

コッテリーナイス! 2号店ならではの旨味を加味しつつ、本店の味を“ぶっ生き返す!!”

腹ペコの歓声が沸き起こる中、本店でお馴染みのSEをDANGERxDEERが掛けていく。そして「2号店の味を召し上がれー!」というセキはんのシャウトとともに披露されたのは、「ぶっ生き返す!!」。

2号店だからといって、決して本店の味を“殺す”ことはしていない。むしろ、本店の味を“生き返す”どころか、自分たちの旨味を引き出し、それをところどころに散りばめた2号店なりの良さがあった。

七色ボイスを持ち、MCパートでも盛り上げるセキはん(キャーキャーうるさい方と女声)、ダイエット企画に挑戦しながら人間嫌いである自分と真摯に向き合い、内面、外見ともに一皮むけたタクマ(歌と6弦)。

それから、キュートな笑顔を弾けさせながらも、観客にも楽しんでもらえるようなパフォーマンスをアグレッシブに披露するわかざえもん(4弦)、真剣にドラムをたたく中、ときどき見せるニタニタ笑顔が印象的なオマキ(ドラムとニタニタ)、そしてところどころ楽曲にアレンジを利かせ観客を沸かす、世界をまたにかけて活躍中のDANGERxDEER(DJ)。

そんな5名によるパフォーマンスは、1曲目からコッテリとした旨味がしっかり凝縮されていた。

食後すぐの腹痛なんて気にしない! モッシュ、ヘドバンの嵐で大歓喜する腹ペコ

続く「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」では、サークルモッシュが発生し、腹ペコの心もますますヒートアップしていく。会場の温度が冷めやらぬうちに、今度はMCへ。

セキはんは「えー、ビバラロックにお集まりの皆さま。本日は大変厳しいタイムテーブルの中、この時間、この場所をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。マキシマム ザ ホルモン2号店でございます」と、合宿中にマナーの先生から教わった丁寧な口調で感謝の気持ちを述べていく。

そして、「あれ、タクマ? こんなところに“シミ”が」というセキはんのつぶやきとともに次曲「シミ」へと持ち込んだ。

ヘドバンの嵐が沸き起こった他、セキはんの大ジャンプも披露され、腹ペコを大いに沸かしていく2号店。そんな目を奪われるような光景は、落ちることのない“シミ”としてメンバーの他、腹ペコの魂にも深くくっきりと刻み込まれたに違いない。

その後の「「F」」では、タクマとわかざえもんの2人が互いに向かい合ってヘドバンを披露しながら演奏するなど、メンバーの仲の良さが垣間見えた。

「ただただコピーバンドやっているんじゃない」 セキはんが明かした感動のMC

次のMCで、セキはんは「我々、ただただ本店のコピーをしているバンドではございません。今ここに立っているのは5人。たった5人かもしれませんけれど、いろんな想いがここ、VIVA LA ROCK、GARDEN STAGEには渦巻いています」と心境を明かした。

マキシマム ザ ホルモン本店の想い、そして今、いろんな想いを抱えた方がここに集まってきてくれていると思う。目の前のあなた方、動画を見て自分を重ね合わせたりだとか、コイツ面白れぇなだとか、いろんな感情を抱えてここに来てくれている方がたくさんいると思います」と打ち明けていく。

また、「一番悔しい想いをしていると思うのは、きっと一緒に2号店を目指して、だけどここに立つことができなかったオーディションメンバーだと思うんですよ」と話すと、会場に駆けつけていたオーディションメンバーからは歓声が上がる。

「わしらはお前らの想いも背負ってやっているつもりだから、ただただコピーバンドやっているんじゃない。いろんな奴らの想いがここには渦巻いていて、いろんな奴の人生の希望、夢、ワクワク、不安、絶望、挫折… いろんなものがごっちゃ煮になって、そしてにじみ出たもの、それがマキシマム ザ ホルモン2号店の味だ!」と熱い胸の内を明かしてくれた。

そして本店のライブでお馴染みの“恋のおまじない”を「麺カタ~! コッテリ~! “ナイス~!”」とアレンジさせた“2号店の一味違ったおまじない”をかけたのち、披露されたのは「恋のメガラバ」。

“セキはん”こと赤飯が、歌い手のときに1人でホルモン全パートを披露していた動画が蘇り、思わず目頭が熱くなる。

さらに、MCで話していた“希望、夢、ワクワク、不安、絶望、挫折”は全て赤飯自身のことなのではないか、と思わずにはいられなくなってしまい、涙なしでは見られなかった。

「2号店でした。ありがとう!」という爽やかなあいさつとともに去っていった赤飯ら2号店メンバー。その姿は凛としていて、とてもかっこよかった。

感想

2号店が与えてくれたものは“勇気”だと思う。

例えば、タクマ。

若い頃のマキシマムザ亮君の姿に似ているだけではなく、「亮君と一緒で電車3駅しか乗れない」という特徴まで一致していた。

しかし、“ホルモンが好き”というその一心で応募し、亮君から「可能性を感じる」と見込まれたタクマには「ホルモンに見た目や特徴が似ている人は応募NG」という条件が特別に免除され、別枠のダイエット企画でオーディションに参加することとなった。

本当に2号店のメンバーになりたいと望んでいる人ではないと、応募条件を見た段階であきらめてしまうのではないだろうか。

しかし、タクマは違った。人間嫌いでありながらも、原付で3時間かけてオーディションに駆けつけていた他、応募の段階からこの“勇気”を持っていたのだ。それがタクマの強さだと思う。

亮君はそんなタクマの強みをダイエット企画で伸ばしてあげていたような気がした。

「腹ペコ・ノンフィクション」の最初のほうでは希望に燃えているというよりも「怖いほうが勝っています」と言っていたタクマ。それでも決してあきらめることをしなかったのは、“本気”だったからだろう。

パニック障害を発症してから運動を避けていた」と日記に綴っていたタクマは、そんな自分の苦手意識と果敢に向き合いながら、自分と戦うことをやめず、新しい扉を徐々に解放していった。

好きなスイーツを我慢したり、苦手だったボーリング場へ行ったり。そして、最終的には「俺も人にやさしくロックに生きたい」と綴っており、内面がガラリと前向きに変わっていた。タクマには“勇気”があったのだ。

さらに、タクマは「俺は、この企画中に深夜にラーメンやアイス、お菓子などを食べた瞬間に自分からこの企画を辞退しようと思っている。そんな甘い気持ちで2号店が務まる訳が無い」とも日記に綴っていた。

ここまで強い意志があるタクマに感動させられただけでなく、自分の中にある闘争心が奮い立たされた気がした。ブレない芯を持っている人は、そうなかなかいないだろう。私だけでなく、タクマが必死に戦う姿は観るもの全てに“勇気”を与えてくれたのではないだろうか。

 

私は今、転職活動をしている。好きなことを仕事にするべく奮闘している真っ最中なのだが、最終面接で落ちることが多く、なかなか上手くいっていない。

しかし、そんなときにこそ、2号店が与えてくれた“勇気”を思い出したいと思う。

あきらめるも勇気、戦うも勇気。

選ぶのは、後者一択だろう。

水曜日のカンパネラ・ケンモチヒデフミが凄いのは、“人”がテーマの曲だけじゃない!

水曜日のカンパネラの音楽担当・Kenmochi Hidefumi。彼は独創的なサウンドを手掛けているだけでなく、オリジナリティあふれる歌詞も生み出している。“人”をテーマにした曲が多く見られるが、今回は人以外がテーマの個性的な楽曲も紹介していきたい。

はじめに

水曜日のカンパネラ(以下、水カン)は好きだろうか。

自分が思ったまま、感じたままに表現しているボーカル・パフォーマーコムアイ、独創的な歌詞やサウンドを生み出している音楽担当のKenmochi Hidefumi(ケンモチヒデフミ)、その他“何でも屋”のDir.Fからなる同ユニット。

私が彼らの音楽を聴いたのは、アルバム『ジパング』が最初だった。Apple Musicに大きく取り上げられていたため、気になって聴いてみたのだった。そして、1曲目に収録されている「シャクシャイン」でパンチを食らった。

ぶっ飛んでいる、というのが率直な感想だ。何といっても歌詞がおもしろい。

地名をひたすら羅列していると思ったら、突然、“食らえマルちゃん焼きそば弁当”と必殺技のように食べ物が飛び出す。さらに、“白い恋人”や“マルセイバターサンド”などのお菓子まで続々登場。北海道の魅力がたんまり詰め込まれたこの曲に、私は衝撃を受けずにはいられなかった。

まさかの一発ノックアウト。強烈なアッパーだった。

こうして水カンにすっかり虜になった私は、特に歌詞の部分に魅力を感じている。

今回は、ケンモチヒデフミさん(以下、ケンモチさん)が作詞を担当している曲をいくつかピックアップして、その個性的な歌詞を紹介していきたい。

“人”をテーマにした楽曲

昔話やおとぎ話に登場する人物から歴史上の偉人まで、ある特定の“人”について想像力を膨らませながら書くところが、何といってもケンモチさんの魅力だと思う。

例えば、楽曲「桃太郎」のMVを観てほしい。

この桃太郎、昔話に登場する桃太郎とは全く異なる人物として描かれているのが分かるだろうか。

昔話の桃太郎は、村人たちに悪さを働いている鬼を退治しようと、イヌ、サル、キジを従えて鬼ヶ島へ果敢に躍り出る物語だ。

しかし、この桃太郎は、宿題も勉強もせずにゲームに明け暮れている姿が描かれている。しまいには家を追い出され、ペットのイヌ、サル、キジと仕方なく鬼退治しに行くという、本来の桃太郎の性格とは真逆で、どこか現代風にアレンジされたストーリーになっている。

また、曲中には元ゲームソフト開発・販売会社の“ハドソン”や、「ファミコン名人」として名が知られる“高橋名人”、さらにゲーム機のコントローラーのボタンを1秒間に16回押すという高橋名人の必殺技“(魂の)16連射”などが登場。

加えて、桃太郎がファミコンのコントローラー・2コンに付いているマイク(2コンマイク)から“一緒に行こうよ鬼が島 あなたの助けが必要です”と叫ぶシーンも描かれており、ゲーム好きなファミコン世代に刺さる内容となっている。

現代風のアレンジが施された楽曲は、他にもたくさんある。

例えば、芸能の神であり、日本最古の踊り子でもあるアマノウズメが登場する「アマノウズメ」では、歌詞中に“ディスコ”が出現する。その他、江戸時代なのに“運転席”や“助手席”、“後部座席”といった車の表現が描かれる「松尾芭蕉」などがあり、ユニークな人物が描かれている。

ケンモチさんは、小説や映画からのアプローチも忘れない。

太宰治の短編小説『走れメロス』からアイデアを引き出しつつも、歌詞中には“ハナ・アタマ・クビ”と競馬を匂わせるフレーズが登場する「メロス」の他、「一休さん」では昔話の要素を取り入れつつも、“レインボーブリッジ封鎖できません”と映画『踊る大捜査線―』からピックアップされたワードが入っている。また、「オードリー」では、映画『ローマの休日』で主演を務めたオードリー・ヘップバーンが題材となった楽曲だ。

このように、ケンモチさんは“人”がテーマの曲の描き方がとにかく独創的で魅力にあふれているが、彼の作詞力がスゴいのはそれだけにとどまらなかった。

テーマはそっち!? 敢えて主題をタイトルに入れない楽曲

「見ざる聞かざる言わざる」という曲を聴いてみてほしい。

曲中には、タイトルにもある、栃木・日光東照宮にいる三猿が登場する。

しかし、“「せざる」という4体目のシンボル”が歌詞に登場するのを忘れないでほしい。

三猿の元となったのは、孔子の『論語』だ。曲中にも、“礼にあらざれば”という『論語』の中に登場するフレーズが出てくる。そして、その中で孔子は「見るな、聞くな、言うな」の3つの教えだけではなく、「するな」の4つ目の教えを説いているのだ。

ただ、なぜか三猿しか残っていないことに目を付けたケンモチさんは、“最近用はない”や“少々品がない”などと、4体目の「せざる」の気持ちになってこの曲を書いたものだと私は思っている。

だから、この曲のテーマは「見ざる聞かざる言わざる」ではなく「せざる」なのだと思う。ただ、曲名を「せざる」にしなかった理由は、おそらく「せざる」が日光東照宮にないからだろう。

ケンモチさんが“天才”とささやかれる理由は、こういうところにあるのだろう。

何この歌詞! 一般的な曲名のイメージとはガラッと異なる独創的な楽曲

もうひとつ、面食らった曲を聴いてみてほしい。

ひたすら駅名が登場する歌詞。そして、付けられた曲名は、すごろくでも、人生ゲームでもない。「モノポリー」だ。そこに深く感心した。

モノポリーは、アメリカで誕生したボードゲームのひとつ。すごろくや人生ゲームとルールは何ら変わらないが、マス目にはさまざまな鉄道会社や地名の他、駐車場や刑務所などが描かれている。

ここからケンモチさんはヒントを得たのではないかと思うのだ。鉄道の代わりに電車という、日本人にとって馴染みのある交通手段に置き換え、歌詞には路線名も登場する。また、“二重橋前 再逮捕”というフレーズからは、モノポリーで登場するGO TO JAIL(刑務所行き)の名残りであるかのように感じる。

そんな、ケンモチさんのセンスがきらりと光る曲となっている。

曲名も歌詞も独特! 言葉遊び巧みなオリジナル要素あふれる楽曲

最後に、「ディアブロ」を聴いてみてほしい。

“Dear 風呂”とスペイン語の“悪魔(Diabro)”の意味、さらに“ディアブロ”というゲームの要素を掛け合わせた曲名となっているのが特徴だ。

歌詞中には、“デビル デーモン サタンにルシファー”と悪魔に関連するフレーズが登場する他、“あくま(悪魔)で昇天”という掛け言葉も見受けられ、MV中でも悪魔やゲームが登場する。

また、曲中には韻を踏んでいる箇所が多く見られ、オリジナリティあふれる楽曲となっている。

感想

このように、ケンモチさんが持ち前の豊かな想像力を発揮しているのは、“人”がテーマの曲だけでない。

ケンモチさんはステージに上がらないものの、しっかりと縁の下の力持ちとして活躍されているのがスゴいところ。

5月15日に発売されるアルバム『沸騰 沸く ~FOOTWORK~』も期待できるに違いない。

それにしても、これを書いていたら、また水カンのライブに行きたくなってきた。

コムアイちゃんのパフォーマンス、また生で観に行きたい。

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水曜日のカンパネラの武道館ライブの模様(PHOTO:水曜日のカンパネラ 日本武道館公演〜八角宇宙〜 のもの)

オメでたい頭でなにより、多幸感あふれる“ヒューマンドラマ”が炸裂!【今いくねくるね 東京公演 ライブレポート】

初めての全国ワンマンツアー「オメでたい頭でなにより"1"マンツアー 〜今 いくね くるね〜」を開催中のオメでたい頭でなにより

今回はメジャーデビュー1周年を迎えた4月4日に開催された、東京公演のライブの模様をレポートする。※ネタバレ注意※

はじめに

CDJで観たオメでたのライブが忘れられなかった

赤飯の発言がずっと忘れられなかった。

年末に開催されている、年越し恒例フェス・COUNTDOWN JAPAN。筆者はCDJ18/19で初めてオメでたのライブを観たのだった。

書く予定だったライブレポートをあきらめ、本能の赴くままに騒いでいたくらい、ライブを堪能していたことを未だに覚えている。

ただ、その楽しさ以上に、ステージの去り際に赤飯が発した言葉が心の奥のほうで引っかかっていた。

しかしおととい、その言葉の謎がやっと解けたのだった。

赤飯にはつらい過去があったのだ。

オメでたの魅力とは?

2018年にメジャーデビューを果たした、“日本一オメでたい人情ラウドロックバンド”オメでたい頭でなにより(通称:オメでた)。

「楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド」をコンセプトに掲げている彼らは、大人だけでなく子どもも楽しめる、その世界観が逸脱している。

例えば、誕生日を祝福した楽曲や、結婚式の曲と聞いて誰もが想像するだろう「結婚行進曲」のメロディーを取り入れたオメでたい楽曲。それから、誰もが知る童謡「だるまさんがころんだ」をもじった楽曲をリリースしている。

また、アイドル要素全開の楽曲を作ったかと思いきや、Queenの「We Will Rock You」をオマージュした曲を出したりと、曲中にコミカルな要素がたくさん散りばめられている。

さらに、サウンド面も素晴らしい。

まるで女性が歌っているかのような可愛らしい歌声から、シャウトやスクリームといったデスボイスまで幅広く歌い上げるボーカル・赤飯をはじめ、メンバー一人ひとりが高い演奏技術を持ち合わせている。

彼らが奏でるラウドやポップなどのサウンドがコミカルな世界観と合わさることで、抜群のスパイスを効かせている。

筆者はそのユニークな音楽性に心を奪われ、オメでたのワンマンライブに行くことを決めたのだった。

開演前

始まる前から他アーティストの曲で大盛り上がり!

入場開始から少し経った頃にロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんの「ハッピーウェディング前ソング」が流れ始めると、会場は「キッス!」と「入籍!」を口ずさむ人が続出。音響さんがボリュームを上げてくれたこともあり、大合唱が始まる。

その後流れたロックバンド・KEYTALKの「MONSTER DANCE」では、歌いながら振り付けを披露するオメっ子(オメでたのファンの呼称)が後を絶たず、再び音響さんがボリュームを上げる。

「さすが」「できる音響さん」などの称賛の声が上がる中、気づけば辺り一面、踊りながら歌う人であふれかえっていた。

オープニング

架空のラジオ番組の他、オメマッチョ29が“筋肉美”を見せつける!

開演時間を迎えると、「来たぞーい。赤飯の『オールナイト会場』!」とラジオ番組がオンエアされているような演出で場内を盛り上げていく。

ラジオ番組風の演出内では、4月4日のライブ終了後に感想が送られてきたことを想定した、お客さんからのお便りを読み上げるコーナー「うろ覚えライブ予想図2」を実施。

「筋肉に刺激、いくねくるね~」という架空のお客さんの感想を読み終えると、赤飯、ギター・ボーカルを務めるぽにきんぐだむ、そしてパーソナルトレーナー・植田知成さんの3名からなるオメマッチョ29がタンクトップ姿で登場。会場からはどよめきが起こる。

そして、「まずは二頭筋を見せるトレーニング!」「次は大胸筋を見せつけるトレーニング!」「最後のポージングいきましょう」と次々と筋肉美を見せつけていくオメマッチョ29に、会場からは笑い声が絶えない。途中、3人がタンクトップを脱ぎだすと、歓声が上がった。

最後にダンスのトレーニングを披露し終えると、オメマッチョ29はその場を後にした。

その後、赤飯は「まさか自分の身体がこんなに変化するなんて 昔の自分には想像出来なかったです」という驚きとともに、植田さんに対する感謝の気持ちを自身のTwitterで綴っている。

本番

そこら中、“力士”だらけ!? あの曲でスタート!

赤飯をはじめとするメンバーが法被風の衣装に着替えて登場すると、さっそくテレビアニメ「火ノ丸相撲」のエンディングテーマとして起用された「日出ズル場所」でキックオフ。

横綱を目指す少年がさまざまな敵や困難と戦うストーリーが描かれている同アニメの背景を受け、土俵やちゃんこなど、歌詞中に相撲が想像できる言葉が散りばめられている同曲。

ライブでは、この曲で観客を土俵入りさせ、フロアは力士のような振り付けを披露するオメっ子であふれていた。

そこにMVでも飛び交っているレーザーネオンの演出を取り入れることで、観客をさらに盛り上げていく。

また、およそ15秒間にわたる赤飯のロングシャウトを響かせると、観客からは歓声が上がった。

続いて披露されたのはメジャーデビュー曲「鯛獲る」。演歌の要素やタイ語も交えながら、ラウドかつポップでキャッチーな楽曲に仕立てた同曲に、オメっ子たちは大盛り上がり。「オメでたい」の掛け声も飛び交い、会場はますますヒートアップしていく。

その様子を見た赤飯は、開演前にヤバTの楽曲でオメっ子たちが盛り上がっていたこともあってか、オメっ子たちをヤバTのファンの呼称「顧客」と呼ぶ遊び心も覗かせていた。

“お寿司の曲”では、オメっ子たちのやさしい心遣いが垣間見える!

その後は「wosushi~ウォールオブ寿司~」をドロップ。ブロックごとに“ネタ”と“しゃり”パートに分かれ、ぶつかり合うことで“寿司”が作られるウォールオブデスが繰り広げられた他、サークルモッシュの“回転寿司”もあちこちで発生した。

一見、危険そうに見えるが、オメっ子はただ自分が楽しければ良いという感覚がない。

オメっ子もメンバー同様、人情味あふれる人たちが多く、ウォールオブデスに不安気な表情を浮かべていた女性客を気遣ってやさしくハイタッチしていた男性客や、サークルモッシュで倒れた観客を助け合う光景も見られ、みんな楽しそうな笑顔を浮かべていた。

途中のMCでは、座席について説明する一幕が。ライブが初めての人や騒がずにゆったり観たい人向けの「デリケートゾーン」を下ネタも織り交ぜながら紹介する他、小学生までの親子席「大五郎シート」について説明。

ライブを観に来ていたオメっ子キッズに向けて赤飯が語りかけ、「ちゃーん」と子どもに叫んでもらうと、会場からは笑みがこぼれる。フロアからは「かわいい~」といった声が相次いだ。

そして、今度は「えんがちょ!」へとバトンタッチ。

ヘドバンの嵐に大合唱! フィーバーするオメっ子

その後、「言葉のあやや」でヘドバンの嵐を巻き起こし、ネガティブを前面に押し出した楽曲「HELL"O"」で大合唱を巻き起こしたオメでたは、色恋ソング「サイレンとジェラシー」へと持ち込んだ。“嫉妬”がコンセプトでありつつ、下ネタも豊富に取り入れられた同曲では、会場が熱気に包まれていた。

そのまま赤飯が「あー悶々する、悶々するよー!」とMCに繋げると、女性客からは黄色い声が飛び交った。

そして、赤飯はオメでたのライブがきっかけで仲良くなった人がたくさんいるというオメでたい話を聞けてうれしい気持ちを率直に吐露。中には付き合えた人、さらに結婚した人までいることを明かしたかと思いきや、誰もが一度は聞いたことがあるであろう「結婚行進曲」のメロディーを取り入れた楽曲「ピ」へ流れるように持ち込んでいく。

次に披露されたのは、「終わらない恋からの脱出」。DREAMS COME TRUEを漂わせ、敬意も感じられる同曲へとスムーズに繋げた。

オメでたの魅力の一つは、楽曲によっては他アーティストへのオマージュが見受けられるところがある点だと思う。

ご当地“鯛アップ”企画も実施!

続くMCでは、思い通りにいっていない曲があることを説明。楽曲「鯛アップ」は、企業とのタイアップを望んでいることをアピールしている楽曲とのことだが、まだ好ましいリアクションが得られていないそう。

そんな状況を打破すべく、「勝手にご当地タイアップ企画」を行いながらツアーを回っているオメでたは、全12公演で行われる各地の魅力を「鯛アップ」の歌詞に入れ込んでいることを紹介した。

東京公演では、通常の「鯛アップ」の他、マイナビBLITZ赤坂を押さえてくれた樋さんに感謝の気持ちを込め、歌詞の一部を「やれてよかった 樋樋樋」と変えた「ご当地鯛アップ」の2曲を続けざまに披露。

途中、樋さんがスクリーンに映し出され、温かい笑い声が絶えないパフォーマンスとなった。

その後も“オメでたい楽曲”が続々!

その後は“アイドルあるある”を歌い上げたアイドルチューン「推しごとメモリアル」へ。

サビでは、ぽにきんぐだむ、ギター・324、ベース・mao、そしてドラム・ミト充が、オメっ子たちと一緒になってダブルピースを掲げながら全力ダンスを披露し、再び演奏に戻るというファインプレーを演じていた。これには会場もますますヒートアップ。

続いて披露された「ダルマさんは転ばない」は、童謡「だるまさんがころんだ」のオマージュ。ライブ中にだるまさんがころんだが始まると、2階から子どもたちからの幸せそうな笑い声が弾けた。

それを聞いた赤飯がうれしそうに2階席を指差し、オメっ子キッズのために温かいトークを始めたかと思いきや、再びだるまさんがころんだを開始し、会場からは終始笑い声が絶えない。

歌い終えると、汗だくな会場にぴったりな「スーパー銭湯~オメの湯~」へと紡いでいく。途中、赤飯が巨大なアヒルに乗ったまま観客の上へダイブする場面もあり、ますますフロアを沸かせた。

赤飯、感涙! 悔しい過去があるからこそ、その姿は美しかった

続いて披露されたのは、「We will luck you」。Queenの「We Will Rock You」をオマージュした同曲では、地響きが鳴り響き、大合唱が繰り広げられた。

オメっ子たちが高くダブルピースを掲げると、赤飯の目には涙が。そして、涙ながらにもうすぐマイナビBLITZ赤坂がなくなるという話を始めた。

赤飯は今とは違う形で同じ会場に立っていた過去があるという。努力や苦労は見せるものではないと考えているため「昔のことなんて知らなくていい」と言っていたが、この日は過去の悔しさを少しだけ打ち明けてくれた。

そこで私はピンと来たのだった。CDJで赤飯は世の中に対してあんまり良いイメージを抱いていないという発言をしていたのは、そのことだったのかと思った。

楽曲「言葉のあやや」でも、「この世は世知辛く」という歌詞が登場する。また、「鯛獲る」でも「逆境の日々」というフレーズが登場する他、「えんがちょ!」でもさまざまな災難を歌っている。

本当に悔しくてつらかったのだと思う。でも、だからこそ、赤飯がこの日流したうれしさと悔しさが入り混じったような涙は、とても美しかった。ちょうど苦しい時期にいるオメっ子の心境を言葉にしてくれたような気がした。

筆者は今、つらい時期にいる。だからこそ、赤飯の言葉に心が動かされ、元気と勇気をもらえたのだった。

その後披露されたのは、「ザ・レジスタンス」。みんなで起こした最高の反撃。この革命的な光景を、私はきっと忘れることはないだろう。

そして最後は「オメでたい頭でなにより」でヘドバンの嵐を巻き起こした。

アンコール

最後まで驚きいっぱいのパフォーマンスに目が離せない!

「We will luck you」の大合唱でアンコールを待ち望む中、再び姿を現したメンバー。

この日で1周年という、バンドの誕生日を迎えるのにふさわしい「VIVA!ハピバ」でアンコール1曲目が始まると、オメっ子たちに風船のプレゼントが贈られるサプライズが待ち受けていた。

たくさんのバルーンに囲まれる中、「宴もたけなわプリンセス」「チャバシラタッター」を続けざまに投下し、オメでたいセットリストで幕を閉じた。

終演後

やさしさあふれるオメっ子の姿にほっこり

終演後はオメっ子による、やさしい世界が広がっていた。

2階席の大五郎シートにいるオメっ子キッズのために、1階にいる大人たちが風船をプレゼントしようと賢明にバルーンを投げているのだ。ものすごく感動した。

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オメでたワンマンライブに参戦!

また、この日の公演後、赤飯は自身のTwitterで「みんなで起こした最幸の反撃。ここに来るまで約4年。今笑えてるならどんな過去も全て受け止められる。いつもきっかけを与えてくれてありがとう。わしらはこれからも音返しし続けるよ。誰かの何かのきっかけになれるように」などと綴っている。

感想

オメでたのライブは、ライブを超えていた

この日観た光景は、ヒューマンドラマやハートウォーミングストーリーに近いものを感じた。

オメでたメンバーとオメっ子たちが作り上げる素敵な光景に筆者はものすごく感動し、必ずまたライブに行くことを心の中で誓ったのだった。