ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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【Nulbarich『VOICE Remixes』】自己流“リミックス”の愉しみ方

CM曲にも起用された「VOICE」の“リミックス”が登場!

Nulbarichが3月1日、EP『VOICE Remixes』をリリースした。

昨年11月にシングル『VOICE』を配信し、今年の2月に発売されたアルバム『Black Envelope』にも収録されている楽曲「VOICE」。

CMのタイアップ曲にも起用され、聞いたことがあるという人も多いのではないだろうか。

そんな「VOICE」のさまざまなリミックスが詰め込まれた今回のEP。

洋楽アーティストは同じ曲のリミックスだけを収録したCDをリリースしている人は多いものの、邦楽アーティストは少ないように感じていただけに、このニュースは私には新鮮に感じられた。

“リミックスの魅力”とは?

すべて同じ歌詞となっているが、曲のテンポが異なったり、少しアレンジが加えられていたりするだけで、楽曲のテイストや雰囲気がかなり変わる。

それだけでなく、曲によっては伝えたいことに変化が生じるように感じる。

そのときの気分やフィーリングにちょうどフィットするものを聴きたいという人に、リミックスは向いているのかもしれない。

今回は『VOICE Remixes』の4曲目に収録されている、オリジナル曲「VOICE」の自己解釈をまずはざっくりと紹介。さらに、各リミックスで感じ方がどのように変化したのか、独断と偏見で書いていきたい。

アルバム『VOICE Remixes』レビュー!

4.「VOICE」

自分なりの理想を掲げ、その夢や目標を叶えるため、親しい友だちと離れることを決断した主人公。

“辿りついたその時にはまず  I'll come see you again”というフレーズからは、友情の厚さも感じられる。

そうした遠くにいる友だちのことを気にかけながらも、固い意志を胸に、自分の“心の声 (VOICE)”がするほうへ自分らしく進んでいく。そんな果敢な主人公の姿を想像した。

次に友だちと再開したときには、一歩成長した姿で出逢っているに違いない。

 

1.「VOICE (Madison Mars Remix)」

イントロで聴こえる、ややゆったりとしたフューチャーハウス系のサウンドは、口々に同じ言葉が繰り返される様子を表現しているように聴こえ、歌詞の“使い回された言葉”へとつなげているように感じた。

また、シンガーソングライター・JQが“tell me if I were you  何も知らない僕はcrying or smiling?”と歌う場面では、時計の秒針が刻む音とともに流れてくることから、友だちと逢えなくなってから時間がかなり経過しているように思った。

また、最後に友だちと逢ったときまで時間を巻き戻し、その当時を回想しているようにも考えられる。

さらに、歌詞の“秒針に乗せたmelody”とも通ずるものがあるように考えた。

1曲目のこのリミックスでは、友だちと一緒に過ごしたときのことや、一歩成長した姿で出逢う友だちとのことなど、“友だちとの時間”に重点が置かれているように聴こえた。

 

2.「VOICE (Ruhde Remix)」

“take me out ~ make my new word”や“どっか遠くへ 連れ去って ねぇ  We always look for something”のところで上がっていくシンセの音や、“tell me if I were you”という歌詞の“if I”の部分が何度もリピートされているのが特徴的となっている2曲目のリミックス。

徐々に上がっていくシンセのサウンドからは、自分と同じように理想を追いかけている友だちの、高みを目指す姿が強調されているように聴こえた。

また、“if I”のリフレインからは、自分が友だちならどうしていたのだろうかという疑問が何度も脳裏をかすめる様子が感じられる。

「もし私が誰々だったら」と想像するとき、だいたいそれは憧れを抱いている人や尊敬している人物に対して思うことではないだろうか。主人公は友だちのようになりたいという願望を抱いているように感じた。

2曲目は、そんな“友だちとの関係性”がフィーチャーされたリミックスのように思った。

 

3.「VOICE (Henry Fong Remix)」

他のリミックスよりもゆったりとしたイントロで始まりながらも、トラップやダブステップなどのベースミュージックでパンチを効かせ、その高低差が魅力となっている3曲目のリミックス。

これからの未来への期待や、自分の理想に向かっていることへの高揚感を表したようで、“主人公が楽しみながら奮闘する様子”を描いているように感じた。

リミックスは好きですか?

リミックスが嫌いだという人も少なくない。

そんな人にこそこの記事を読んでもらいたい。

意外といいかも、なんて思ってもらえたら光栄です。