ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

オメでたい頭でなにより、多幸感あふれる“ヒューマンドラマ”が炸裂!【今いくねくるね 東京公演 ライブレポート】

初めての全国ワンマンツアー「オメでたい頭でなにより"1"マンツアー 〜今 いくね くるね〜」を開催中のオメでたい頭でなにより

今回はメジャーデビュー1周年を迎えた4月4日に開催された、東京公演のライブの模様をレポートする。※ネタバレ注意※

はじめに

CDJで観たオメでたのライブが忘れられなかった

赤飯の発言がずっと忘れられなかった。

年末に開催されている、年越し恒例フェス・COUNTDOWN JAPAN。筆者はCDJ18/19で初めてオメでたのライブを観たのだった。

書く予定だったライブレポートをあきらめ、本能の赴くままに騒いでいたくらい、ライブを堪能していたことを未だに覚えている。

ただ、その楽しさ以上に、ステージの去り際に赤飯が発した言葉が心の奥のほうで引っかかっていた。

しかしおととい、その言葉の謎がやっと解けたのだった。

赤飯にはつらい過去があったのだ。

オメでたの魅力とは?

2018年にメジャーデビューを果たした、“日本一オメでたい人情ラウドロックバンド”オメでたい頭でなにより(通称:オメでた)。

「楽しく、幸せに騒げる、底抜けに自由でオメでたいバンド」をコンセプトに掲げている彼らは、大人だけでなく子どもも楽しめる、その世界観が逸脱している。

例えば、誕生日を祝福した楽曲や、結婚式の曲と聞いて誰もが想像するだろう「結婚行進曲」のメロディーを取り入れたオメでたい楽曲。それから、誰もが知る童謡「だるまさんがころんだ」をもじった楽曲をリリースしている。

また、アイドル要素全開の楽曲を作ったかと思いきや、Queenの「We Will Rock You」をオマージュした曲を出したりと、曲中にコミカルな要素がたくさん散りばめられている。

さらに、サウンド面も素晴らしい。

まるで女性が歌っているかのような可愛らしい歌声から、シャウトやスクリームといったデスボイスまで幅広く歌い上げるボーカル・赤飯をはじめ、メンバー一人ひとりが高い演奏技術を持ち合わせている。

彼らが奏でるラウドやポップなどのサウンドがコミカルな世界観と合わさることで、抜群のスパイスを効かせている。

筆者はそのユニークな音楽性に心を奪われ、オメでたのワンマンライブに行くことを決めたのだった。

開演前

始まる前から他アーティストの曲で大盛り上がり!

入場開始から少し経った頃にロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんの「ハッピーウェディング前ソング」が流れ始めると、会場は「キッス!」と「入籍!」を口ずさむ人が続出。音響さんがボリュームを上げてくれたこともあり、大合唱が始まる。

その後流れたロックバンド・KEYTALKの「MONSTER DANCE」では、歌いながら振り付けを披露するオメっ子(オメでたのファンの呼称)が後を絶たず、再び音響さんがボリュームを上げる。

「さすが」「できる音響さん」などの称賛の声が上がる中、気づけば辺り一面、踊りながら歌う人であふれかえっていた。

オープニング

架空のラジオ番組の他、オメマッチョ29が“筋肉美”を見せつける!

開演時間を迎えると、「来たぞーい。赤飯の『オールナイト会場』!」とラジオ番組がオンエアされているような演出で場内を盛り上げていく。

ラジオ番組風の演出内では、4月4日のライブ終了後に感想が送られてきたことを想定した、お客さんからのお便りを読み上げるコーナー「うろ覚えライブ予想図2」を実施。

「筋肉に刺激、いくねくるね~」という架空のお客さんの感想を読み終えると、赤飯、ギター・ボーカルを務めるぽにきんぐだむ、そしてパーソナルトレーナー・植田知成さんの3名からなるオメマッチョ29がタンクトップ姿で登場。会場からはどよめきが起こる。

そして、「まずは二頭筋を見せるトレーニング!」「次は大胸筋を見せつけるトレーニング!」「最後のポージングいきましょう」と次々と筋肉美を見せつけていくオメマッチョ29に、会場からは笑い声が絶えない。途中、3人がタンクトップを脱ぎだすと、歓声が上がった。

最後にダンスのトレーニングを披露し終えると、オメマッチョ29はその場を後にした。

その後、赤飯は「まさか自分の身体がこんなに変化するなんて 昔の自分には想像出来なかったです」という驚きとともに、植田さんに対する感謝の気持ちを自身のTwitterで綴っている。

本番

そこら中、“力士”だらけ!? あの曲でスタート!

赤飯をはじめとするメンバーが法被風の衣装に着替えて登場すると、さっそくテレビアニメ「火ノ丸相撲」のエンディングテーマとして起用された「日出ズル場所」でキックオフ。

横綱を目指す少年がさまざまな敵や困難と戦うストーリーが描かれている同アニメの背景を受け、土俵やちゃんこなど、歌詞中に相撲が想像できる言葉が散りばめられている同曲。

ライブでは、この曲で観客を土俵入りさせ、フロアは力士のような振り付けを披露するオメっ子であふれていた。

そこにMVでも飛び交っているレーザーネオンの演出を取り入れることで、観客をさらに盛り上げていく。

また、およそ15秒間にわたる赤飯のロングシャウトを響かせると、観客からは歓声が上がった。

続いて披露されたのはメジャーデビュー曲「鯛獲る」。演歌の要素やタイ語も交えながら、ラウドかつポップでキャッチーな楽曲に仕立てた同曲に、オメっ子たちは大盛り上がり。「オメでたい」の掛け声も飛び交い、会場はますますヒートアップしていく。

その様子を見た赤飯は、開演前にヤバTの楽曲でオメっ子たちが盛り上がっていたこともあってか、オメっ子たちをヤバTのファンの呼称「顧客」と呼ぶ遊び心も覗かせていた。

“お寿司の曲”では、オメっ子たちのやさしい心遣いが垣間見える!

その後は「wosushi~ウォールオブ寿司~」をドロップ。ブロックごとに“ネタ”と“しゃり”パートに分かれ、ぶつかり合うことで“寿司”が作られるウォールオブデスが繰り広げられた他、サークルモッシュの“回転寿司”もあちこちで発生した。

一見、危険そうに見えるが、オメっ子はただ自分が楽しければ良いという感覚がない。

オメっ子もメンバー同様、人情味あふれる人たちが多く、ウォールオブデスに不安気な表情を浮かべていた女性客を気遣ってやさしくハイタッチしていた男性客や、サークルモッシュで倒れた観客を助け合う光景も見られ、みんな楽しそうな笑顔を浮かべていた。

途中のMCでは、座席について説明する一幕が。ライブが初めての人や騒がずにゆったり観たい人向けの「デリケートゾーン」を下ネタも織り交ぜながら紹介する他、小学生までの親子席「大五郎シート」について説明。

ライブを観に来ていたオメっ子キッズに向けて赤飯が語りかけ、「ちゃーん」と子どもに叫んでもらうと、会場からは笑みがこぼれる。フロアからは「かわいい~」といった声が相次いだ。

そして、今度は「えんがちょ!」へとバトンタッチ。

ヘドバンの嵐に大合唱! フィーバーするオメっ子

その後、「言葉のあやや」でヘドバンの嵐を巻き起こし、ネガティブを前面に押し出した楽曲「HELL"O"」で大合唱を巻き起こしたオメでたは、色恋ソング「サイレンとジェラシー」へと持ち込んだ。“嫉妬”がコンセプトでありつつ、下ネタも豊富に取り入れられた同曲では、会場が熱気に包まれていた。

そのまま赤飯が「あー悶々する、悶々するよー!」とMCに繋げると、女性客からは黄色い声が飛び交った。

そして、赤飯はオメでたのライブがきっかけで仲良くなった人がたくさんいるというオメでたい話を聞けてうれしい気持ちを率直に吐露。中には付き合えた人、さらに結婚した人までいることを明かしたかと思いきや、誰もが一度は聞いたことがあるであろう「結婚行進曲」のメロディーを取り入れた楽曲「ピ」へ流れるように持ち込んでいく。

次に披露されたのは、「終わらない恋からの脱出」。DREAMS COME TRUEを漂わせ、敬意も感じられる同曲へとスムーズに繋げた。

オメでたの魅力の一つは、楽曲によっては他アーティストへのオマージュが見受けられるところがある点だと思う。

ご当地“鯛アップ”企画も実施!

続くMCでは、思い通りにいっていない曲があることを説明。楽曲「鯛アップ」は、企業とのタイアップを望んでいることをアピールしている楽曲とのことだが、まだ好ましいリアクションが得られていないそう。

そんな状況を打破すべく、「勝手にご当地タイアップ企画」を行いながらツアーを回っているオメでたは、全12公演で行われる各地の魅力を「鯛アップ」の歌詞に入れ込んでいることを紹介した。

東京公演では、通常の「鯛アップ」の他、マイナビBLITZ赤坂を押さえてくれた樋さんに感謝の気持ちを込め、歌詞の一部を「やれてよかった 樋樋樋」と変えた「ご当地鯛アップ」の2曲を続けざまに披露。

途中、樋さんがスクリーンに映し出され、温かい笑い声が絶えないパフォーマンスとなった。

その後も“オメでたい楽曲”が続々!

その後は“アイドルあるある”を歌い上げたアイドルチューン「推しごとメモリアル」へ。

サビでは、ぽにきんぐだむ、ギター・324、ベース・mao、そしてドラム・ミト充が、オメっ子たちと一緒になってダブルピースを掲げながら全力ダンスを披露し、再び演奏に戻るというファインプレーを演じていた。これには会場もますますヒートアップ。

続いて披露された「ダルマさんは転ばない」は、童謡「だるまさんがころんだ」のオマージュ。ライブ中にだるまさんがころんだが始まると、2階から子どもたちからの幸せそうな笑い声が弾けた。

それを聞いた赤飯がうれしそうに2階席を指差し、オメっ子キッズのために温かいトークを始めたかと思いきや、再びだるまさんがころんだを開始し、会場からは終始笑い声が絶えない。

歌い終えると、汗だくな会場にぴったりな「スーパー銭湯~オメの湯~」へと紡いでいく。途中、赤飯が巨大なアヒルに乗ったまま観客の上へダイブする場面もあり、ますますフロアを沸かせた。

赤飯、感涙! 悔しい過去があるからこそ、その姿は美しかった

続いて披露されたのは、「We will luck you」。Queenの「We Will Rock You」をオマージュした同曲では、地響きが鳴り響き、大合唱が繰り広げられた。

オメっ子たちが高くダブルピースを掲げると、赤飯の目には涙が。そして、涙ながらにもうすぐマイナビBLITZ赤坂がなくなるという話を始めた。

赤飯は今とは違う形で同じ会場に立っていた過去があるという。努力や苦労は見せるものではないと考えているため「昔のことなんて知らなくていい」と言っていたが、この日は過去の悔しさを少しだけ打ち明けてくれた。

そこで私はピンと来たのだった。CDJで赤飯は世の中に対してあんまり良いイメージを抱いていないという発言をしていたのは、そのことだったのかと思った。

楽曲「言葉のあやや」でも、「この世は世知辛く」という歌詞が登場する。また、「鯛獲る」でも「逆境の日々」というフレーズが登場する他、「えんがちょ!」でもさまざまな災難を歌っている。

本当に悔しくてつらかったのだと思う。でも、だからこそ、赤飯がこの日流したうれしさと悔しさが入り混じったような涙は、とても美しかった。ちょうど苦しい時期にいるオメっ子の心境を言葉にしてくれたような気がした。

筆者は今、つらい時期にいる。だからこそ、赤飯の言葉に心が動かされ、元気と勇気をもらえたのだった。

その後披露されたのは、「ザ・レジスタンス」。みんなで起こした最高の反撃。この革命的な光景を、私はきっと忘れることはないだろう。

そして最後は「オメでたい頭でなにより」でヘドバンの嵐を巻き起こした。

アンコール

最後まで驚きいっぱいのパフォーマンスに目が離せない!

「We will luck you」の大合唱でアンコールを待ち望む中、再び姿を現したメンバー。

この日で1周年という、バンドの誕生日を迎えるのにふさわしい「VIVA!ハピバ」でアンコール1曲目が始まると、オメっ子たちに風船のプレゼントが贈られるサプライズが待ち受けていた。

たくさんのバルーンに囲まれる中、「宴もたけなわプリンセス」「チャバシラタッター」を続けざまに投下し、オメでたいセットリストで幕を閉じた。

終演後

やさしさあふれるオメっ子の姿にほっこり

終演後はオメっ子による、やさしい世界が広がっていた。

2階席の大五郎シートにいるオメっ子キッズのために、1階にいる大人たちが風船をプレゼントしようと賢明にバルーンを投げているのだ。ものすごく感動した。

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オメでたワンマンライブに参戦!

また、この日の公演後、赤飯は自身のTwitterで「みんなで起こした最幸の反撃。ここに来るまで約4年。今笑えてるならどんな過去も全て受け止められる。いつもきっかけを与えてくれてありがとう。わしらはこれからも音返しし続けるよ。誰かの何かのきっかけになれるように」などと綴っている。

感想

オメでたのライブは、ライブを超えていた

この日観た光景は、ヒューマンドラマやハートウォーミングストーリーに近いものを感じた。

オメでたメンバーとオメっ子たちが作り上げる素敵な光景に筆者はものすごく感動し、必ずまたライブに行くことを心の中で誓ったのだった。