ミュージック バンク

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邦ロック、J-POP、洋楽などの楽曲紹介記事やライブレポートを不定期で更新中。独断と偏見で綴っています。

マキシマム ザ ホルモン2号店が出した、唯一無二の味

音楽業界初のフランチャイズ制を導入したマキシマム ザ ホルモン

これまでYouTube上のドキュメンタリー番組「ガチンコ ザ ホルモン~コッテリの継承者たち~」でオーディションの模様が配信されてきたが、本店の選考で採用された5名の“店員(メンバー)”からなる2号店がついに“開店”し、5月5日に行われた埼玉史上最大のロックフェス「VIVA LA ROCK 2019」に初上陸した。

今回は、そんな2号店の初ライブの模様を筆者の感想を交えながらレポートする。

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マキシマム ザ ホルモン2号店が出してくれた、“あの味”が忘れられない

はじめに

忘れられない味は、あるだろうか。

残業で疲れていたときに上司が買ってきてくれたアイスの味、好きな人と一緒に食べたごはんの味。みんなひとつやふたつはあるのではないかな、と思う。

私にとっての一番忘れられない味は、マキシマム ザ ホルモン2号店が提供してくれたものとなった。

 

ホルモン2号店が提供してくれた味は、美味しかった。

心まで染み渡るような熱いスープ(ロックスピリット)、スープによく絡む麺(サウンド)、それからこだわりのトッピング(個性)。いろんな旨味がにじみ出ていたが、全てが喧嘩せずに仲良く溶け込んでいた。

そして、そんなラーメン(音楽)を湯気(熱気)が出る中、美味しそうにすする客(腹ペコ ※ファンの総称)と、気前よく提供してくれた店員(メンバー)。

全てが忘れられないものとなった。

ライブレポート

コッテリーナイス! 2号店ならではの旨味を加味しつつ、本店の味を“ぶっ生き返す!!”

腹ペコの歓声が沸き起こる中、本店でお馴染みのSEをDANGERxDEERが掛けていく。そして「2号店の味を召し上がれー!」というセキはんのシャウトとともに披露されたのは、「ぶっ生き返す!!」。

2号店だからといって、決して本店の味を“殺す”ことはしていない。むしろ、本店の味を“生き返す”どころか、自分たちの旨味を引き出し、それをところどころに散りばめた2号店なりの良さがあった。

七色ボイスを持ち、MCパートでも盛り上げるセキはん(キャーキャーうるさい方と女声)、ダイエット企画に挑戦しながら人間嫌いである自分と真摯に向き合い、内面、外見ともに一皮むけたタクマ(歌と6弦)。

それから、キュートな笑顔を弾けさせながらも、観客にも楽しんでもらえるようなパフォーマンスをアグレッシブに披露するわかざえもん(4弦)、真剣にドラムをたたく中、ときどき見せるニタニタ笑顔が印象的なオマキ(ドラムとニタニタ)、そしてところどころ楽曲にアレンジを利かせ観客を沸かす、世界をまたにかけて活躍中のDANGERxDEER(DJ)。

そんな5名によるパフォーマンスは、1曲目からコッテリとした旨味がしっかり凝縮されていた。

食後すぐの腹痛なんて気にしない! モッシュ、ヘドバンの嵐で大歓喜する腹ペコ

続く「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」では、サークルモッシュが発生し、腹ペコの心もますますヒートアップしていく。会場の温度が冷めやらぬうちに、今度はMCへ。

セキはんは「えー、ビバラロックにお集まりの皆さま。本日は大変厳しいタイムテーブルの中、この時間、この場所をご覧いただきまして、誠にありがとうございます。マキシマム ザ ホルモン2号店でございます」と、合宿中にマナーの先生から教わった丁寧な口調で感謝の気持ちを述べていく。

そして、「あれ、タクマ? こんなところに“シミ”が」というセキはんのつぶやきとともに次曲「シミ」へと持ち込んだ。

ヘドバンの嵐が沸き起こった他、セキはんの大ジャンプも披露され、腹ペコを大いに沸かしていく2号店。そんな目を奪われるような光景は、落ちることのない“シミ”としてメンバーの他、腹ペコの魂にも深くくっきりと刻み込まれたに違いない。

その後の「「F」」では、タクマとわかざえもんの2人が互いに向かい合ってヘドバンを披露しながら演奏するなど、メンバーの仲の良さが垣間見えた。

「ただただコピーバンドやっているんじゃない」 セキはんが明かした感動のMC

次のMCで、セキはんは「我々、ただただ本店のコピーをしているバンドではございません。今ここに立っているのは5人。たった5人かもしれませんけれど、いろんな想いがここ、VIVA LA ROCK、GARDEN STAGEには渦巻いています」と心境を明かした。

マキシマム ザ ホルモン本店の想い、そして今、いろんな想いを抱えた方がここに集まってきてくれていると思う。目の前のあなた方、動画を見て自分を重ね合わせたりだとか、コイツ面白れぇなだとか、いろんな感情を抱えてここに来てくれている方がたくさんいると思います」と打ち明けていく。

また、「一番悔しい想いをしていると思うのは、きっと一緒に2号店を目指して、だけどここに立つことができなかったオーディションメンバーだと思うんですよ」と話すと、会場に駆けつけていたオーディションメンバーからは歓声が上がる。

「わしらはお前らの想いも背負ってやっているつもりだから、ただただコピーバンドやっているんじゃない。いろんな奴らの想いがここには渦巻いていて、いろんな奴の人生の希望、夢、ワクワク、不安、絶望、挫折… いろんなものがごっちゃ煮になって、そしてにじみ出たもの、それがマキシマム ザ ホルモン2号店の味だ!」と熱い胸の内を明かしてくれた。

そして本店のライブでお馴染みの“恋のおまじない”を「麺カタ~! コッテリ~! “ナイス~!”」とアレンジさせた“2号店の一味違ったおまじない”をかけたのち、披露されたのは「恋のメガラバ」。

“セキはん”こと赤飯が、歌い手のときに1人でホルモン全パートを披露していた動画が蘇り、思わず目頭が熱くなる。

さらに、MCで話していた“希望、夢、ワクワク、不安、絶望、挫折”は全て赤飯自身のことなのではないか、と思わずにはいられなくなってしまい、涙なしでは見られなかった。

「2号店でした。ありがとう!」という爽やかなあいさつとともに去っていった赤飯ら2号店メンバー。その姿は凛としていて、とてもかっこよかった。

感想

2号店が与えてくれたものは“勇気”だと思う。

例えば、タクマ。

若い頃のマキシマムザ亮君の姿に似ているだけではなく、「亮君と一緒で電車3駅しか乗れない」という特徴まで一致していた。

しかし、“ホルモンが好き”というその一心で応募し、亮君から「可能性を感じる」と見込まれたタクマには「ホルモンに見た目や特徴が似ている人は応募NG」という条件が特別に免除され、別枠のダイエット企画でオーディションに参加することとなった。

本当に2号店のメンバーになりたいと望んでいる人ではないと、応募条件を見た段階であきらめてしまうのではないだろうか。

しかし、タクマは違った。人間嫌いでありながらも、原付で3時間かけてオーディションに駆けつけていた他、応募の段階からこの“勇気”を持っていたのだ。それがタクマの強さだと思う。

亮君はそんなタクマの強みをダイエット企画で伸ばしてあげていたような気がした。

「腹ペコ・ノンフィクション」の最初のほうでは希望に燃えているというよりも「怖いほうが勝っています」と言っていたタクマ。それでも決してあきらめることをしなかったのは、“本気”だったからだろう。

パニック障害を発症してから運動を避けていた」と日記に綴っていたタクマは、そんな自分の苦手意識と果敢に向き合いながら、自分と戦うことをやめず、新しい扉を徐々に解放していった。

好きなスイーツを我慢したり、苦手だったボーリング場へ行ったり。そして、最終的には「俺も人にやさしくロックに生きたい」と綴っており、内面がガラリと前向きに変わっていた。タクマには“勇気”があったのだ。

さらに、タクマは「俺は、この企画中に深夜にラーメンやアイス、お菓子などを食べた瞬間に自分からこの企画を辞退しようと思っている。そんな甘い気持ちで2号店が務まる訳が無い」とも日記に綴っていた。

ここまで強い意志があるタクマに感動させられただけでなく、自分の中にある闘争心が奮い立たされた気がした。ブレない芯を持っている人は、そうなかなかいないだろう。私だけでなく、タクマが必死に戦う姿は観るもの全てに“勇気”を与えてくれたのではないだろうか。

 

私は今、転職活動をしている。好きなことを仕事にするべく奮闘している真っ最中なのだが、最終面接で落ちることが多く、なかなか上手くいっていない。

しかし、そんなときにこそ、2号店が与えてくれた“勇気”を思い出したいと思う。

あきらめるも勇気、戦うも勇気。

選ぶのは、後者一択だろう。