ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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“クッソ生きてやる”! ZOCの「family name」が心に響いた、あの日感じたこと

心に響いた“クッソ生きてやる”の言葉

ZOCが最後に披露した曲は「family name」だった。

先日開催されたギュウ農フェスでの出来事だ。

オクタゴンスピーカーとウーファーの威力が凄まじく、地響きしていたほど重低音が鳴り響いていた会場。心臓まで音が伝わってくるほど迫力があったからか、歌詞も心にダイレクトに響いてきた気がする。

メンバーが歌う“クッソ生きてやる”の箇所が、ものすごく沁みたのだった。

そしてそれが、私にとって初めてとなるZOCのライブとなった。

“クッソ生きてやる”

もう何度、“クッソ生きてやる”と思ったのか分からない。

海外に住んでいた小学生時代、「日本人だから」という理由だけで人種差別に遭い、突然仲良くしていた友だちから別れを告げられた。お昼休みはしばらくひとりで過ごしていたこともあった。悲しくて、見返したくて、英語をとにかく頑張った。そのときに思った“クッソ生きてやる”。

中学1,2年生の頃は、イジメに遭った。浮世離れした性格で、帰国子女ということもあったのだろう。髪を蛍光ペンで塗られた他、さまざまなことをされた。そのときに思った“クッソ生きてやる”。

大学生の頃は、就活に失敗。そこでも思った“クッソ生きてやる”。

社会人になってからも、イジメに遭った。再び思った“クッソ生きてやる”。転職活動を行い、50社ほど受けて、ようやく決まったのだった。

そして、“クッソ生きてやる”と思う出来事が起こるたんびに、その経験が私を強くしてくれた。

そんなことがフラッシュバックしたのだった。私も波乱万丈な人生を歩んできたからこそ、ZOCの「family name」に響くものがあったのだろう。

「family name」から感じる熱い想い

ZOCのメンバーも、一人ひとりが波乱に満ちた人生を歩んできた。

引きこもりや虐待、家庭内暴力の経験者など、さまざまな“孤独”を抱えてきた女の子たちの“孤独を孤立させない”ため、大森靖子が“共犯者”となり築き上げたグループがZOCである。

そして、デビュー曲として発表されたのが「family name」だった。

同曲では、一人ひとりが抱えてきた“闇”を歌うソロパートや、敢えてバラバラに踊るパートを取り入れ、それぞれの“孤独”を表現しつつも、“悲しみも映えてる”、“なんも気にすんな”などと、一人ひとりの人生を全肯定。

さらに、“だからって光を諦めないよ”と、アイドルとして新たな道を歩みだした自分たちのこれからの可能性を信じていることを歌っている。

その上で、これまでのマイナス要素を全て強みに変えたような、力強い意志や決意が感じられる、“クッソ生きてやる”という熱い想いを解き放つのだ。

彼女たちが「family name」を歌うからこそ、楽曲が活きるのだと思ったとともに、同じようにライブで聴き、彼女たちのこの曲に心を突き動かされたという人も多いのではないだろうか。

今いる環境に何らかの不満を感じる人へ

“family name”には、もともと“姓(家族の名前)”といった意味があるが、家族だけでなく、学校や会社などのグループ、組織など、今いる環境に何かしらの不満を感じている人にも、この曲は刺さるのではないかと思う。

それらの不満は、きっとプラスに変わる起爆剤となるだろう。

気づけば、唱えているのではないだろうか。

“クッソ生きてやる”

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