NOISE――。
いわゆる“雑音”は好きではない。
人の話し声や足音。車のクラクションや街頭ディスプレイの映像音。
家を飛び出すや否や、一瞬でそんな都会の喧騒に呑まれてしまう。
それらが一体となって作り出される“不協和音”には、思わず「僕は嫌だ」と叫びたくなってしまうのだ。
ただ、そんな中でも、好きな“NOISE”がある。
――NOISEMAKERだ。
“音楽クリエイターズ集団”NOISEMAKER
4人組オルタナティブロックバンド・NOISEMAKER。
彼らが奏でるジャンルはロックだけにとどまらない。
時にはパンクなことも、あるいはオルタナなことだってある。また、ロックにヒップホップを混ぜてみたり、R&Bを加えてみたり。はたまたシンセなどの電子音楽を取り入れてみたりと、さまざまなジャンルの音を融合しつつ、一つひとつの音が決して喧嘩せずに美しいハーモニーとして成立しているサウンドが魅力なのだ。
そんなNOISEMAKERは、アートワークやデザイン、サウンドメイクなども彼らが行っているから驚きだ。7月1日に発売されたミニアルバム『H.U.E.』のジャケ写は、ボーカルのAGが手掛けている。初回限定盤に封入されているカラーシートを覗くと、さまざまな“顔”が映し出されるという遊び心あふれる作品になっているのだ。
今回は、そんな『H.U.E.』から、「Better Days」という曲を自由に紹介していきたい。
H.U.E. (初回限定盤) [CD+ORIGINAL COLOR SHEET+SPECIAL ART&PHOTO BOOK]
- アーティスト:NOISEMAKER
- 発売日: 2020/07/01
- メディア: CD
信じるということ
私には夢がある。音楽ライターになりたい。
今はもう離れてしまったが、私にはかつて、記者として働いていた時期があった。あのとき味わえた景色はもう、色あせてきてしまっている。ただ、自分の好きな“書くこと”を仕事にすることができて、毎日が楽しかったことだけははっきり覚えている。
挫折を経験し、一度手放してしまった夢。それでも、音楽ライターになりたいという想いだけは、決して消えることはなかった。
そこで始めたのが、このブログだ。なれるかどうかも分からないし、だいぶ遠回りだとは思っている。それでも私は、自分の夢を叶えたくて続けている。
NOISEMAKERが届ける“応援ソング”
歌詞にじっくり耳を傾けながら、そんな想いに改めて気づかされた。
それだけでない。今なんらかの問題と戦っている人や、葛藤している人にも勇気や希望を与えてくれる曲のように思った。
また、最後のゴスペルコーラスにも胸を打たれるものがあるのではないだろうか。その場にいる人たちが一斉に立ち上がり、声を張り上げながら、手を叩いたり、ステップを踏んだりする姿が浮かんだのだ。
生活に基づいた前向きなメッセージを、英語という世界共通語で多くの人たちと一緒に歌い上げる様子は、人種や国境を越えて、たくさんの人たちの共感を呼ぶことだろう。
この世界に色を付けるのは誰だ
ライブでNOISEMAKERとともにシンガロングする光景を、私は観たい。
「この日々は良くなっていく」。
そう信じることで、本当に世の中は少しずつ好転していくのではないだろうか。
この世界に色を付けるのは、他の誰でもない。きっと“君”なんだ。
ジャケ写や歌詞、アートブック。さらにはMVの結末も変化する、アルバム『H.U.E.』の初回限定盤に封入されているカラーシートからは、そんな想いが感じられた。