ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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【Devil ANTHEM.「VS」】アイドル戦国時代で戦う、乙女たちの“リアル”

「これは私たちとみんなとの戦いだよ!」

先日行われたライブツアー「Hang Out With Sound TOUR」の大阪公演で、そう話していたくるみちゃん。新曲「VS」について、笑いながらコメントしていた。この曲では、メンバーとファンが互いに熱量を競い合うようなフロアを望んでいるようだ。

 

“戦い”――。思えば、Devil ANTHEM.(通称:デビアン)はかねてからずっと戦っている。

昨年、アーティスト写真を新しくしたときから、彼女たちは目に見える形で“戦い”を表現してきた。

そして、今回もまた、戦っているのだ。 

前回が横にいる敵と戦っているように見えたのに対し、今回は目の前の敵と戦っていることが、アー写から伝わってくる。

そして、それは9月9日に発売されることが発表された、ニューシングル『VS』の表題曲「VS」でも描かれているのだ。

デジタルロックテイストな曲調に仕上がっている「VS」。「スタート スタート プッシュしてゲーム開始   全部が 全部が 負けられない戦い」というフレーズから始まるのだが、「ゲーム開始」と歌っているように、曲中にはゲームを彷彿とさせる電子音がアクセントとして用いられている。

また、曲中を彩る、遊び心あふれる歌詞にも注目してほしい。「経験値が足りない」「ダメージ受けたって 負けずに連打」「油断をしたら すぐにゲームオーバー」「諦め悪く 何度もコンティニュー」などのゲームの世界に入り込んだような言葉は、ゲーマーならくすりと笑ってしまうだろう。

そして、2番へ突入すると、「ハードだ ハードだ 今どき乙女のリアル」「寝てたい 寝てたい 回復するまで寝てたい~」などというフレーズが登場することから、この曲はデビアンのアイドル生活をゲームに例えたものであることが分かる。

つまり、曲名の「VS」は、宣戦布告のようなものではないだろうか。それは、アイドル戦国時代で戦っている他のアイドルに対してもそうだろう。しかし、それ以上に、デビアンはコロナ禍の今に対して宣戦布告しているように感じた。

 

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、音楽業界やイベント業界はまだ厳しい状況に立たされている。

政府が提唱しているガイドラインを踏まえた上でなら、ライブをすることは可能となった。しかし、収容人数が半分以下といった規定があることや、十分な間隔を空ける必要があることから、以前のような収益を上げることは難しい。

オンラインライブを行ったとしても、スタッフや会場など、さまざまなコストがかかるため、売上を上げることはそう簡単ではないだろう。

 

しかし、デビアンは、そんな状況でも決して戦うことをやめない。彼女たちは、ライブもオンラインライブも乗りこなしているのだ。そして、横にいる敵(他のアイドル)も、目の前の敵(コロナ禍)も蹴散らす勢いで、常に“手強い敵”へと立ち向かい続けている。

日々、最高を更新することを心掛けているデビアン。彼女たちの“コンティニュー”は今日も止まらない。

VS

VS

  • アーティスト:Devil ANTHEM.
  • 発売日: 2020/09/09
  • メディア: CD