ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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溢れ出る“ゲーム愛”!【PLAY ALIVE 2021:Apex Legends シーズン8】公式テーマソング「Triforce」から感じた魅力

VaVa、Yo-Sea、そしてOMSBの3人が、それぞれ“内なる力”を発揮している楽曲をリリースした。その名も「Triforce」である。

Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]

Triforce (feat. Yo-Sea & OMSB) [Arcade Mix]

  • VaVa
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

トライフォース”と聞いて、『ゼルダの伝説』シリーズに登場する“あの秘宝”を思い浮かべる人もいるかもしれない。力、知恵、勇気の3つのフォースをコンプリートしたものの願いを何でも叶えるという、それである。

楽曲「Triforce」は、残念ながらそんな『ゼルダの伝説』シリーズとは関連していないものの、その歌詞には、プレイヤーの力、知恵、勇気が活きるバトルロイヤルシューティングゲーム『Apex Legends』を彷彿とさせるような遊び心のある表現があちこちに散りばめられている。

また、この曲は、eスポーツ大会『PLAY ALIVE 2021 : Apex Legends Season 08 Special Program』の公式テーマソングとして採用されていることもあり、この曲を語る上では『Apex Legends』の存在は欠かせない。

今回はそんな「Triforce」について、独断と偏見で語っていきたい。

ざっくり解説! これがバトロワ系『Apex Legends』だ!

まずは、バトロワ系『Apex Legends』についてざっくり説明していきたい。プレイしたことのない人にも理解してもらえるよう簡単に解説していくが、『Apex Legends』のファンはざっと振り返る程度に読んでみてほしい。

『Apex Legends』は、3人1組のチームとなり、それぞれのチームがチャンピオンを目指して戦うゲームとなっている。

基本的にはマップ上にランダムに落ちているアイテムや武器を拾って敵を攻撃するのだが、プレイヤーが使用するレジェンド(キャラクター)によって能力や性能が異なるといった特徴があるため、そのレジェンドの使い方もチームを勝利に導く上では大切だ。その他、移動方法や立ち回りなどの細かな動作も戦う上では重要なポイントである。

また、このゲームでは、プレイ中に味方と情報共有ができるシグナルを出すことができる。落ちているアイテムや敵の位置を知らせることができるだけでなく、自分の向かいたい場所の指示や、攻撃、防衛の意思表示も示すことが可能だ。『Apex Legends』では連携プレイが勝利に繫がるため、シグナルを出すことは欠かせない。

遊べば遊ぶほど病みつきになり、操作方法や敵の倒し方も上達する。そんな『Apex Legends』にハマる人は多く、岡崎体育関口メンディー宮脇咲良、本田翼、髙橋ひかるなど、数多くのアーティストや芸能人も魅了している。

“ゲーム愛”感じる「Triforce」

VaVa、Yo-Sea、そしてOMSBのトリオもまた、『Apex Legends』のファンである。そんな彼らの“ゲーム愛”は初っ端からあふれ出ている。

「Yo-Sea, OMSB VaVa beats」「Ever get that feeling you're not alone in a room?(これまで部屋にひとりぼっちじゃない感じがしたことある?)」といった質問から始まるのだが、ゲームで遊んでいて画面越しに人と繋がっているため、部屋にひとりきりでも寂しくないという、ゲーマーなら分かるだろう“あの感覚”について聞いているのだろう。答えはもちろん「YES」である。

そうして、その答えを待っていたかのように、VaVaらトリオは『Apex Legends』とリアルが交錯した世界へと私たちを誘っていくのである。「次元またいで 武器持つ片手 人生Auto Aimねぇから打ち負けねぇよう」「I Believe 仲間 Trio ステージじゃ銃じゃなく持つマイク俺大砲」「ひとりひとりがみんなレジェンズ」などと詞を巧みに繋いでいくのだ。

「次元またいで 武器持つ片手」とは、まさに私たちが画面越しでレジェンドを操りながら武器を手にする様子だろう。それと同時に「人生Auto Aimねぇから打ち負けねぇよう」と、攻撃があたらない人のために自動で的を定めてくれるオートエイム機能が人生には存在しないというシビアな現実も突き付ける。そんなゲームと現実が交錯した世界が見事に表現されている。

また、「I Believe 仲間 Trio」といった歌詞は、3人1組のチームとなって戦う『Apex Legends』の世界と、VaVa、Yo-Sea、OMSBの3人について信じているといった仲間の絆を掛け合わせたもの。さらに、「ひとりひとりがみんなレジェンズ」といった表現からは、『Apex Legends』のレジェンドと、偉大な人物といった意味のダブルミーニングであることが分かる。

その他、歌詞にはレジェンドのアビリティを想起させるような表現も散りばめられている。例えば、「どこまででも翔べる」といったリリックは、ゲーマーならレジェンドのひとりであるオクタンのジャンプパッドの飛距離を想像するに違いない。また、「繰り返す負け、盾を巻けばおk」といった表現は、ノックダウンされた仲間をシールドで守りながら素早く復活させることのできる、ライフラインのアビリティを連想させるような表現となっている。

コロナ禍、ダフト・パンクの解散発表……“今”に焦点を当てた「Triforce」のもうひとつの魅力

遊び心のあふれる楽曲「Triforce」だが、実はリアルな部分は“今”と密接に関連しているように感じる。

例えば「クラブにカラオケ、また遊びたいね」「人との距離が大切、ズームはしない俺」といった部分が、まさに“今”を表しているだろう。コロナ禍の今、おうちで過ごす時間が増え、クラブやカラオケなどの“密”になりやすい空間は極力避けるよう、各地でお願いされている状況だ。

さらに、“今”この瞬間にスポットを当てているように感じたのは、それだけでない。曲中にダフト・パンクの「Harder Better Faster Stronger」のフレーズ、「Work it, make it, do it, makes us」「Harder, better, faster, stronger」がそのまんま入っているのである。

Harder Better Faster Stronger

Harder Better Faster Stronger

  • provided courtesy of iTunes

ダフト・パンクが解散を発表したのは、2月22日。ちょうどその頃にレコーディングをしていたことも十分、考えられるのである。きっとVaVaらはダフト・パンクに敬意を表すために、敢えてこのフレーズを入れたのだろう。

このように、さまざまな魅力がふんだんに詰め込まれた「Triforce」。ぜひ一度、聴いてみてほしい。

Triforce feat. Yo-Sea, OMSB -Arcade Mix-

Triforce feat. Yo-Sea, OMSB -Arcade Mix-

  • 発売日: 2021/03/17
  • メディア: MP3 ダウンロード