ミュージック バンク

ミュージック バンク

感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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【BABYMETAL】“シヴァ神”が降臨した、“闇の世界”から感じたこと

シヴァ神――彼はダンスの神でもあり、破壊を司る神様だ。よりよい世界を創造するために、踊りながら今あるすべてを破壊し、再び再生へと導く力を持っている。いわゆる“破壊神”である。

BABYMETALが“闇の世界”をテーマに展開した1月26日のライブパフォーマンス。シヴァ神は、確かにそこにいた。

最初のほうで前方のスクリーンに映し出された映像。あれは紛れもなく、シヴァ神だった。キツネの仮面をつけ、歴史の資料集などに写っていそうなシヴァ神の像が、そこに映し出されていたのだ。

“紙芝居”が終わると、仮面姿のBABYMETALとアベンジャーズ(サポートメンバー)が登場する。そこにもシヴァ神が宿っていたのだろうか。この日のパフォーマンスを繰り広げた最後のエンドロールに映し出されたのは、BABYMETALが10周年を迎える10月10日に“最終章”がスタートするという“お告げ”だった。

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思えば、この日披露した曲の中で、ひと際異彩を放っていた曲があった。「BxMxC」だ。

重低音が鳴り響く中、これまで魅せたことのない、ヒップホップのような歌いまわしを披露していくSU-METAL。独自のフロウに乗せて、スクリーンいっぱいに映し出される歌詞とともに、挑発的なリリックを歌い上げていた。

“メタルサイファー(BABYMETALなりのフリースタイルラップ)”に挑戦したこの曲は、これまで確立してきたスタイルを壊し、メタルに限らず幅広いジャンルに挑戦していくといった強い意思を表した曲のように感じた。

そして、その姿が、よりよい世界を創るためにこれまで創り上げてきた世界を壊し、新たな世界を創り上げていくシヴァ神と重なったのだ。

サイファーには、“0(ゼロ)”といった意味もある。0と聞いて、何にもない状態といった意味を思い浮かべる人も多いかもしれない。しかし、それ以外にも、0は始まりや原点といった意味も持ち合わせている。

だからこそ、BABYMETALが最後に発表した“最終章”。それは新たな章への幕開けを示しているのではないだろうか。または、原点復帰を表しているのかもしれない。

いずれにせよ、よりよい世界を創造するために、今いる場所にいったん終止符を打ち、再び再生へと向かう――そんなシヴァ神のような展開が待ち受けているのではないだろうかと思っている。

【Devil ANTHEM.「VS」】アイドル戦国時代で戦う、乙女たちの“リアル”

「これは私たちとみんなとの戦いだよ!」

先日行われたライブツアー「Hang Out With Sound TOUR」の大阪公演で、そう話していたくるみちゃん。新曲「VS」について、笑いながらコメントしていた。この曲では、メンバーとファンが互いに熱量を競い合うようなフロアを望んでいるようだ。

 

“戦い”――。思えば、Devil ANTHEM.(通称:デビアン)はかねてからずっと戦っている。

昨年、アーティスト写真を新しくしたときから、彼女たちは目に見える形で“戦い”を表現してきた。

そして、今回もまた、戦っているのだ。 

前回が横にいる敵と戦っているように見えたのに対し、今回は目の前の敵と戦っていることが、アー写から伝わってくる。

そして、それは9月9日に発売されることが発表された、ニューシングル『VS』の表題曲「VS」でも描かれているのだ。

デジタルロックテイストな曲調に仕上がっている「VS」。「スタート スタート プッシュしてゲーム開始   全部が 全部が 負けられない戦い」というフレーズから始まるのだが、「ゲーム開始」と歌っているように、曲中にはゲームを彷彿とさせる電子音がアクセントとして用いられている。

また、曲中を彩る、遊び心あふれる歌詞にも注目してほしい。「経験値が足りない」「ダメージ受けたって 負けずに連打」「油断をしたら すぐにゲームオーバー」「諦め悪く 何度もコンティニュー」などのゲームの世界に入り込んだような言葉は、ゲーマーならくすりと笑ってしまうだろう。

そして、2番へ突入すると、「ハードだ ハードだ 今どき乙女のリアル」「寝てたい 寝てたい 回復するまで寝てたい~」などというフレーズが登場することから、この曲はデビアンのアイドル生活をゲームに例えたものであることが分かる。

つまり、曲名の「VS」は、宣戦布告のようなものではないだろうか。それは、アイドル戦国時代で戦っている他のアイドルに対してもそうだろう。しかし、それ以上に、デビアンはコロナ禍の今に対して宣戦布告しているように感じた。

 

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、音楽業界やイベント業界はまだ厳しい状況に立たされている。

政府が提唱しているガイドラインを踏まえた上でなら、ライブをすることは可能となった。しかし、収容人数が半分以下といった規定があることや、十分な間隔を空ける必要があることから、以前のような収益を上げることは難しい。

オンラインライブを行ったとしても、スタッフや会場など、さまざまなコストがかかるため、売上を上げることはそう簡単ではないだろう。

 

しかし、デビアンは、そんな状況でも決して戦うことをやめない。彼女たちは、ライブもオンラインライブも乗りこなしているのだ。そして、横にいる敵(他のアイドル)も、目の前の敵(コロナ禍)も蹴散らす勢いで、常に“手強い敵”へと立ち向かい続けている。

日々、最高を更新することを心掛けているデビアン。彼女たちの“コンティニュー”は今日も止まらない。

VS

VS

  • アーティスト:Devil ANTHEM.
  • 発売日: 2020/09/09
  • メディア: CD
 

ヨルシカ、秋山黄色、サカナクション…“恋うた”5曲で恋愛ファンタジーを描いてみた

いよいよだ。

梅雨は明け、もうすぐ本格的な夏がやってくる。

「そろそろ素敵な恋、したくない?」

私の中のブルゾンちえみがそう問いかける。そんな恋の季節の到来だ。

 

そこで今回は、恋愛ソングを紹介していきたいと思う。

以前、テレビ朝日系の音楽バラエティ「関ジャム 完全燃SHOW」で、back numberの曲を恋愛の4つの局面に分類して紹介する特集を行っていたが、それをオマージュし、好きなアーティストの楽曲を5つのシーンに分けて、恋愛の一連のサイクルを描いてみることにした。

紹介する曲は5つ。共通点は飲みものが登場するところにある。

飲みものを片手に、曲で紡ぐ恋愛ファンタジーを愉しんでいってほしい。

恋の始まり

恋の始まり。それは、いつだって甘酸っぱさで溢れているものだと思う。 

三月のパンタシアが描く「ピンクレモネード」は、そんな乙女心をまっすぐ表現した1曲だ。

ピンクレモネード

ピンクレモネード

  • provided courtesy of iTunes

キラキラとしたピアノの音色が、胸の高鳴りやときめき、未来への期待を彷彿とさせる中、恋に葛藤する女の子の姿をボーカリスト・みあが可愛らしい歌声で歌い上げていく。

好きな人が何を考えているのか気になったり、自分のことをどう思っているのかそわそわしたり、自分の好きという想いに気づいてほしくてやきもきしたりと、恋する乙女の脳内は忙しい。気づいたら四六時中、好きな人のことを考えていた、なんていう人もいるだろう。

そして、考えているばかりで前に進めていない。一歩踏み出したくとも、不思議と勇気が出ないのだ。そんなもどかしさも表現している。

女の子の“片想いあるある”が凝縮されたような「ピンクレモネード」。やさしい甘さと爽やかな酸味が合わさることで生まれる絶妙なハーモニーは、きっと相手に届くのではないだろうか。

恋愛真っ盛り

恋愛において、一番幸せを感じることのできる期間が付き合い始めだと思っている。

KANA-BOONの「なんでもねだり」は、晴れて交際した男女がデートを楽しむ様子を描いた楽曲だ。

なんでもねだり

なんでもねだり

  • provided courtesy of iTunes

男性が彼女の素肌を「まるで今朝のミルクみたい」と例えている表現からは、彼女に見惚れていることが分かるだろう。

また、あれこれ欲しいものを言ったり、突然食べたいもののリクエストが変わったりと、何かと忙しい彼女のわがままにも喜んで付き合ってあげている様子から、彼女のことを心底好きなことが伝わってくる。

恋人の存在が気分を明るくし、日常生活に華を咲かせてくれるような付き合い始めの恋は、アイスクリームのように甘く、ミルクのようにほっこりするだろう。

しかし、どちらか一方が自己中になってしまったり、相手に対する配慮が欠けてしまったりすると、その恋はそう長続きしないのではないだろうか。

恋の停滞

ヨルシカの「詩書きとコーヒー」は、冷めてしまった愛を時にコーヒーに例えながら、詩を書いていく主人公の姿が浮かんだ。そんな恋の停滞を表現しているような曲に聴こえる。

詩書きとコーヒー

詩書きとコーヒー

  • ヨルシカ
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

「幸せの色は準透明 なら見えない方が良かった」というフレーズは、“幸せが自分から離れていくのならば、最初から要らなかった”と言っているように聴こえた。

「準透明」だから、目には見えないのだろう。それでも幸せを感じられるものといったら、“愛”がそのひとつなのではないだろうか。恋人は、きっと主人公への気持ちが薄れてしまったのだろう。

一方、主人公自身も「冷めた目で愛を語るようになっていた」ようだ。そして、曲の後半にかけて、その想いは加速していく。

「想い出になる 君が邪魔になっていく」という気持ちは、やがて「想い出になれ 君よ詩に成って往け」といった強い拒絶へと変貌を遂げるのだ。

もうそろそろ、この愛は終わりを告げようとしている。

恋の終わり

コーヒーや紅茶などに入っているカフェインが曲名の、秋山黄色の「Caffeine」。カフェイン中毒になってしまった人の歌詞とも捉えられるが、恋人と別れてしまい、その苦しみを引きずっている人の歌にも聴こえるのだ。

Caffeine

Caffeine

  • 秋山黄色
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

吐き気や不眠など、カフェイン過剰摂取による副作用が描かれている「Caffeine」。

歌詞中の“レモネード”は、この副作用をやんわりと包み込んだように表現していると思うのだが、かつての恋人との甘い想い出を忘れようとしているようにも聴こえる。

「切ない匂い 覚え過ぎたんだ」「排水口 なだれ込んだ心の中身達」といった表現からは、かつての恋人の匂いや恋人との楽しかった想い出など、脳裏に焼きついた記憶を必死に忘却しようとする主人公の姿が浮かんだ。

また「‪最後のお願いを聞いておくれ 僕の事を十秒間だけでいいから教えてよ」といった心の叫びや「最期のお願いを聞いておくれ僕の事を 切り開いていいから皆同じ物を流して」といった苦悩からは、恋人を失ったつらさが伝わってくる表現とも捉えることができるだろう。

“ピンクレモネード”や“ミルク”、“コーヒー”など、これまで曲を通して描いてきた恋の始まりから停滞までのいろんな“味(記憶)”を思い出しては、胸を痛めている。そんな主人公の姿が浮かんだ恋の終わり。それは、“レモネード”のように酸っぱいのではないだろうか。

新たな始まり

サカナクションの「さよならはエモーション」は、過去のことを思い出しながらも、なんとか前に進もうとする姿勢が描かれている1曲だ。

さよならはエモーション

さよならはエモーション

  • provided courtesy of iTunes

歌詞中に「忘れたい自分に缶コーヒーを買った」という表現が登場するのだが、これは缶コーヒーという苦い飲みもので、苦い想い出をかき消そうとしているのではないかと感じた。

それほどまでに忘れたい記憶は、君との過去の中にあるのだろう。しかし、そんな中でも主人公は前を向こうとしている。

最後のほうでは「さよなら 僕は夜を乗りこなす ずっと涙こらえ こらえ」と、過去と決別し、前に進む姿が描かれているのだ。

 

「AH ミル ヨルヲヌケ アスヲシル ヒカリヲヒカリヲヌケ」。

夜も光も抜いた先には、どんな景色が広がっているのだろう。

KrewellaとYellow Claw、意外な2組のEDMユニットが「Rewind」で巻き起こした化学反応

KrewellaとYellow Clawによる新曲「Rewind」が7月10日、遂にリリースされた。

4月下旬に行われたオンラインフェス・Middlelands Virtual Rave-A-Thonでお披露目されてから、ファンの間で話題になっていた同曲。

本来、6月中にリリースされる予定だったのだが、アメリカのミネソタ州ミネアポリスで起きたジョージ・フロイドさんの死をきっかけに、黒人の意見を尊重すべく広まった「I AM MUTED」運動をサポートするため、延期が発表されていたのだ。

今回はそんな「Rewind」について自由に書いていきたい。

Rewind

Rewind

  • クルーウェラ & イエロー・クロウ
  • ダンス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

何もKrewellaとYellow Clawがタッグを組むのは初めてではない。およそ3年前にも彼らは楽曲「New World」でコラボしている。

ヒップホップとダンスミュージックを掛け合わせたようなサウンドが印象的な同曲では、2組のEDMユニットによる“新たな世界”が確かに広がっていた。

「Say Goodbye」でもラップを披露していたKrewellaが、本格的なヒップホップ調のラップに挑戦するという新たな試みを取り入れていたのだ。

一方のYellow Clawは「In My Room」でも取り入れていたヒップホップ要素を、同曲でさらに極めているように感じた。

Say Goodbye

Say Goodbye

  • クルーウェラ
  • ダンス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
In My Room (feat. Ty Dolla $ign & Tyga)

In My Room (feat. Ty Dolla $ign & Tyga)

  • イエロー・クロウ & DJ Mustard
  • ダンス
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

しかし、新たなことに挑戦するあまり、両者の持つ個性が存分に発揮できていないようにも感じたのだ。

Krewellaの持ち味といえば、情熱的でアグレッシブに攻める、縦ノリ要素の強いサウンド。それから、パワフルで伸びやかな歌声にあると思っている。一方のYellow Clawは、クールに魅せる、お洒落な横ノリサウンドが魅力だろう。

そんな一見、相反するように見える2組のEDMユニットが再びコラボした「Rewind」では、素敵な化学反応を巻き起こしたのだ。

力強く伸びのあるKrewellaの歌声が、Yellow Clawのお洒落なビートにすっかり溶け込んでいる。エモい歌声とエモいサウンドが掛け合わさることで、エモさが倍増しているのだ。これには、思わず感情を強く揺さぶられるものがあった。

また、ところどころ重厚なサウンドも取り入れ、音に強弱を付けることで、中毒性を引き起こしているように感じる。

それだけでない。そこに、郷愁に駆られて、過去の記憶や想い出に浸ろうとする切ない歌詞が合わさることで、エモさが増し、より惹きつけられるものがあるように思う。

何度も繰り返したくなる「Rewind」。KrewellaとYellow Clawが巻き起こした化学反応に、いつまでも浸っていられそうだ。

 

【English Translation】Sorry, if my English was bad :(

Krewella and Yellow Claw released new song “Rewind” on July 10th.

It has become the subject of fans, since it was unveiled in Middlelands Virtual Rave-A-Thon, which was hold on late April.

By rights, “Rewind” was going to be released during June, but to support “I AM MUTED” movements, they made decision to postpone the release.

This time, let me talk about the song “Rewind”.

 

This is not the first time that Krewella made collaboration with Yellow Claw. About three years before present, they also released “New World” together.

There was surely a “new world”, which they blended the impressive sound of hip hop and dance music in their way.

Krewella has already unveiled their nice rap in “Say Goodbye”, but once again, they made a challenge for the rap in the track. It seemed that Krewella pursed the concept of full-scaled hip hop.

On the other hand, Yellow Claw introduced more hip hop element than they released “In My Room”.

 

However, it seemed that their personalities didn’t stand out to the full extent.

Speaking of Krewella’s characteristics, their strength is in the passionate and aggressive music, as well as their powerful and flowing voices. On the other hand, Yellow Claw has strength in frank and cool sound.

At first glance, it seems that they have conflicting music, but the chemical reaction they made in “Rewind” was splendid.

Krewella’s strong and flowering voices melt with Yellow Claw’s cool beat in good-looking way, which makes the music more emotional. You can feel the depth of the sound in places, and it seems that the contrast of the sound makes the music more addictive.

Furthermore, the lyrics makes you drown in “Rewind”.

The chemical reaction that Krewella and Yellow Claw made in “Rewind” will surely makes you want to repeat the song, and immersed in nostalgic feelings.

【NOISEMAKER「Better Days」】自分の想いに身を任せて

NOISE――。

 

いわゆる“雑音”は好きではない。

人の話し声や足音。車のクラクションや街頭ディスプレイの映像音。

家を飛び出すや否や、一瞬でそんな都会の喧騒に呑まれてしまう。

それらが一体となって作り出される“不協和音”には、思わず「僕は嫌だ」と叫びたくなってしまうのだ。

 

ただ、そんな中でも、好きな“NOISE”がある。

 

――NOISEMAKERだ。

“音楽クリエイターズ集団”NOISEMAKER

4人組オルタナティブロックバンド・NOISEMAKER。

彼らが奏でるジャンルはロックだけにとどまらない。

時にはパンクなことも、あるいはオルタナなことだってある。また、ロックにヒップホップを混ぜてみたり、R&Bを加えてみたり。はたまたシンセなどの電子音楽を取り入れてみたりと、さまざまなジャンルの音を融合しつつ、一つひとつの音が決して喧嘩せずに美しいハーモニーとして成立しているサウンドが魅力なのだ。

そんなNOISEMAKERは、アートワークやデザイン、サウンドメイクなども彼らが行っているから驚きだ。7月1日に発売されたミニアルバム『H.U.E.』のジャケ写は、ボーカルのAGが手掛けている。初回限定盤に封入されているカラーシートを覗くと、さまざまな“顔”が映し出されるという遊び心あふれる作品になっているのだ。

今回は、そんな『H.U.E.』から、「Better Days」という曲を自由に紹介していきたい。

H.U.E. (初回限定盤) [CD+ORIGINAL COLOR SHEET+SPECIAL ART&PHOTO BOOK]

H.U.E. (初回限定盤) [CD+ORIGINAL COLOR SHEET+SPECIAL ART&PHOTO BOOK]

  • アーティスト:NOISEMAKER
  • 発売日: 2020/07/01
  • メディア: CD
 

信じるということ

私には夢がある。音楽ライターになりたい。

今はもう離れてしまったが、私にはかつて、記者として働いていた時期があった。あのとき味わえた景色はもう、色あせてきてしまっている。ただ、自分の好きな“書くこと”を仕事にすることができて、毎日が楽しかったことだけははっきり覚えている。

挫折を経験し、一度手放してしまった夢。それでも、音楽ライターになりたいという想いだけは、決して消えることはなかった。

そこで始めたのが、このブログだ。なれるかどうかも分からないし、だいぶ遠回りだとは思っている。それでも私は、自分の夢を叶えたくて続けている。

NOISEMAKERが届ける“応援ソング”

歌詞にじっくり耳を傾けながら、そんな想いに改めて気づかされた。

それだけでない。今なんらかの問題と戦っている人や、葛藤している人にも勇気や希望を与えてくれる曲のように思った。

また、最後のゴスペルコーラスにも胸を打たれるものがあるのではないだろうか。その場にいる人たちが一斉に立ち上がり、声を張り上げながら、手を叩いたり、ステップを踏んだりする姿が浮かんだのだ。

生活に基づいた前向きなメッセージを、英語という世界共通語で多くの人たちと一緒に歌い上げる様子は、人種や国境を越えて、たくさんの人たちの共感を呼ぶことだろう。

この世界に色を付けるのは誰だ

ライブでNOISEMAKERとともにシンガロングする光景を、私は観たい。

「この日々は良くなっていく」。

そう信じることで、本当に世の中は少しずつ好転していくのではないだろうか。

 

この世界に色を付けるのは、他の誰でもない。きっと“君”なんだ。

 

ジャケ写や歌詞、アートブック。さらにはMVの結末も変化する、アルバム『H.U.E.』の初回限定盤に封入されているカラーシートからは、そんな想いが感じられた。