ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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【遅めの自由研究】サカナクションの「モス」を自由に分析してみた

今年6月にアルバム『834.194』をリリースしたサカナクション

前作『sakanaction』から6年ぶりにリリースされたことでも話題となったが、サカナクションにとって“6年ぶり”となったのはアルバムのリリースだけにとどまらなかった。

同アルバム収録曲の「モス」が、深田恭子主演のフジテレビ系木曜劇場「ルパンの娘」の主題歌として起用され、サカナクションがドラマ主題歌を6年ぶりに担当したことも人々の関心を集めることとなった。

その後、サカナクションテレビ朝日系「ミュージックステーション」でアンダーグラウンドなDJパーティーをイメージしながら「モス」を披露し、そのパフォーマンススタイルも注目を浴びていた。

今回はそんな「モス」について、筆者なりの着眼点も交えながら、楽曲を分析していきたい。

「モス」の画像がやたらと気になる、ちゃんさき氏

「モス」と「忘れられないの」は、アルバム『834.194』だけでなく、サカナクションこだわりの仕様の、8cmシングル『忘れられないの / モス』にも収録されている。

サカナクションが2曲を制作するにあたり、1980年代の音楽と文化に影響を受けたことから、当時普及していた8cmシングルという形態でリリースされた。

8cmシングルの表ジャケットが「忘れられないの」、裏ジャケットは「モス」となっているが、ここで注目したのが裏ジャケットに写っている蛾の種類だ。

自分なりに調べた結果、この蛾、どうやら「クスサン」という種類らしい。

「クスサン」に迫る

クスサン。なんだか“さん”付けだと、妙に親近感が湧くという人も多いのではないだろうか。

そんなクスサンが幼少期(幼虫)の頃は、「シラガタロウ」という別名も持っているらしい。漢字だと「白髪太郎」。白髪のクス太郎さん、という謎の人物が脳裏にちらついた。やっぱり、どこか人っぽい。不思議な蛾だ。

シラガタロウのお腹の中には絹糸腺という糸を作る器官があり、ここから昔はテグスを作っていたそう。今のテグスはナイロン製が主流とのことだが、釣り好きの山口一郎さんも、昔はクスサンからテグスを作っていたのだろうか。

マイノリティ meets マジョリティ、マジョリティ meets マイノリティ

そして、そんな「モス」と対比にあるのが、アルバム『834.194』内にある「ナイロンの糸」だと思う。

こだわりの強いサカナクションだからこそ、今は“マイノリティ”となったクスサンから作ったテグスと、“マジョリティ”となったナイロン製のテグスを、さりげなくアルバムの中で比較できるようにしたのではないか、と考えた。

そして「モス」が“マイノリティ”と歌いながら“マジョリティ”向けに歌われており、「ナイロンの糸」という“マジョリティ”のテグスが曲名でありながら“マイノリティ”向けに歌われているということも大きなポイントだと思う。

サカナ論

サカナクションの音楽は、“マジョリティ”や“マイノリティ”といったことに意識が向けられていることが多い。

“マジョリティ”と“マイノリティ”の狭間にいるようなサカナクションは、自分たちなりの“マイノリティ”へのアプローチを試みつつも、“マジョリティ”についても考えており、両者の意見を重視しているように感じている。

その考え方は、“東京”と“札幌”がコンセプトのアルバム『834.194』でも見られるが、過去に販売されたサカナクションのグッズにも表現されている。

また、「ミュージックステーション」でのサカナクションの「モス」のパフォーマンスを覚えているだろうか。

アンダーグラウンドなDJパーティーをイメージした”とうたっていたものの、魚民(※ファンの呼称)ならば、あれが“いつもの”サカナクションでないことは知っているだろう。

サカナクションは、クラブ風の雰囲気を醸しだしたパリピ演出という、明らかに“マジョリティ”を意識したパフォーマンスでありながら、そこで“マイノリティ”を叫んでいたのだ。

しかし、その“マジョリティ”と“マイノリティ”の絶妙なバランスこそがサカナクションだと伝えたかったのではないだろうか。私はある意味、あれは“自己紹介”のようなものだと感じた。

「モス」は“自己紹介ソング”?

今度は歌詞に注目して、「モス」を聴いてみてほしい。

長い間“マイノリティ”に傾倒した生活を送ってきた山口一郎さん自身を表現しつつ、“マジョリティ”と“マイノリティ”の真ん中になるような音楽を追求し、葛藤している一郎さんの様子を描写。さらには、そんな自分を客観的に見ているように描いたものなのではないか、と考えた。

そして、そんなサカナクションを好きな人、応援している人すべてをこれからも“サカナ的世界観”に連れて行ってあげるという歌詞のように感じられた。

繭割って蛾になる マイノリティ
揺れてる心ずっと 三つ目の眼

連れてく蛾になる マイノリティ
君はまた僕を思い出せるなら

特にこの最後のパートでそう感じたのだ。

“マジョリティ”と“マイノリティ”の狭間にいる立場の考え方を紹介されたような、“自己紹介ソング”のように思った。

感想

それにしても、終わらない自由研究を続けている一郎さんはカッコいい。

楽曲やパフォーマンスなど、あらゆる場面でよりよいものへとアップデートしていくサカナクションには、見習うべきものがたくさんある。

私も日々を更新していきたい。

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【苦しんでる君へ】“サウンドテロリスト”が教える、苦しみを爆破する方法

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苦しんでる君へ

これを読んでいる君は、きっと今何らかのつらい状況にいるのだと思う。

一人ひとり「つらい」と感じる物事は異なるけれど、君の苦しみを少しでも救ってあげたい。

 

そんな想いから、君にお便りを書いてみたい。

君は“サウンドテロリスト”を知っているだろうか。

サウンドテロリスト”の来襲

裏路地にある雑居ビルをアジトに暗躍している彼ら。

メンバーから絶大の信頼を得ている、グループのリーダー・重戦車、触れることすら難しいスピードで逃走できる・韋駄天、グループの頭脳と言われる、かなりの戦略家・特攻参謀、魔法をかける力があると言われる声を持つ・音魔術師(別名:ボイスマジシャン)の4名からなるグループだ。

そんな彼らはマイクを武器に、ライブステージで活躍中。“サウンドテロリスト”の音楽には民衆を動かす力があると言われており、その威力は敵対心を抱く相手さえも虜にしてしまうほど。

彼らは20XX年、音楽の影響力に驚異を覚え、音楽を作ること・聴くことの権利を奪った“世界政府”から自由を取り戻そうとすべく来襲したそうだ。

 

そんな“サウンドテロリスト”の音楽に私も触れる機会があった。

さまざまな社会の闇に怯えながら生きている人々の、あらゆる闇を一掃してくれるような迫力のあるサウンド。それから、夢や希望、勇気を与えてくれるようなパワフルかつ心に突き刺さるようなリリック。諸悪をはねのける力が、確かに感じられたのだ。

君にも、“サウンドテロリスト”のメッセージを共有したい。彼らの音楽は、君を少しでも救ってあげられるかもしれないと思うのだ。

誰かに疑われていて苦しんでる君へ

君は、本当は何も悪いことをやっていないのに、何か悪さをしたというデマを流され、疑いの目を向けられているのかもしれない。

それで、すごく逃げ出したくなっているのかもしれない。

そんな君へ、“サウンドテロリスト”のエピソードを紹介したい。

 

サウンドテロリスト”は“世界政府”にとっては敵に見えているが、国民にとって彼らは自由を与えてくれる救世主のような存在だ。

そんな“世界政府”は“サウンドテロリスト”を捕えようと、あらゆる戦略を試みる。

例えば、ニュース速報。

街頭ビジョンに“サウンドテロリスト”が“サウンドテロ”を行うという、新たな犯行声明を出したことが映し出され、彼らがいかにも悪であるかのような情報を流される。国民は情報が錯綜し、“サウンドテロリスト”が自分たちにとってのヒーローなのか、悪党なのかわからなくなっている。

しかし、そんな中でも“サウンドテロリスト”たちは決してあきらめない。爆薬よりも威力のある歌いまわしと歌詞を考え、国民だけでなく、“世界政府”も説得させ、みんなに音楽で自由を与えようと試みるのだ。

そんな“サウンドテロリスト”だが、本当は逃げ出したい気持ちでいっぱいになっている。ただ、彼らは一度決行すると決めたことは必ずやり遂げる覚悟を持っている。後戻りなしのまま、仲間とともに一つひとつのやるべきことをこなしていくのだ。

 

君を信じてくれる人は、必ずいる。

大丈夫、君は何も悪いことをしていないのだから。

仲間とともに立ち上がってほしい。

苦しんでる君よ、立ち上がれ

争い、噂、不安、妬み… みんな苦しんでいることはそれぞれあると思う。

そんなときこそ、目を閉ざさずに今を見てほしい。耳を塞がずに真実に耳を傾けてほしい。

そして、一番大事なこと。明日を閉ざさずに、心を開いてほしい。

それが君の苦しみを爆破できる唯一の方法だと思う。

 

最強の敵はいつだって“自分”の感情だと思う。

だからこそ、押し殺した気持ちは全て吐き出していい。

自分の感情と向き合うことで、苦しみから解き放たれることができるのではないだろうか。

そんなことを“サウンドテロリスト”は、伝えてくれているように感じた。

サウンドテロリスト”の正体

説明が長くなってしまったが、“サウンドテロリスト”というのは、湘南乃風のこと。

よかったら、彼らの楽曲「爆音男 ~BOMBERMAN~」を聴いてみてほしい。

これまで綴ってきたことよりも、言いたいことがずっと伝わるんじゃないかなと思うんだ。

またお便り書くね。

ちゃんさきより 

【Hump Back「拝啓、少年よ」】勝つための方法

“拳”を求めたHump Back

「手拍子大丈夫やで。ありがとう」

 

手拍子ではなく拳を求めた、Hump Back。

みんなで拳を突き上げたあの光景。熱量の高いパフォーマンスとメッセージ。そこで見たもの、聴こえたもの全てが胸に響いた。

これは5月に開催された、春の野外音楽フェス「METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2019」(通称:メトロック)の東京公演2日目での出来事だ。

あの時、あの場所で味わえたHump Backのライブが、筆者は未だに忘れられない。

拝啓、少年よ

筆者は当時、転職活動をしていた。編集者になりたい、という夢があった。その目標を叶えたいという一心で、何十社もの企業を受け続けていたものの、なかなか上手くいかなかった。

そんな中、Hump Backは「拝啓、少年よ」を披露してくれた。

“夢はもう見ないのかい?”という最初のフレーズに妙にドキリとさせられた。“諦めはついたかい?”という歌詞で、なんだか胸が苦しくなった。

“今はもう見れないさ”の箇所で、前職の光景が自然と脳裏に浮かんだ。イジメに耐えられなくなって退職したとはいえ、それまでの“笑いあった日々”を何度“馬鹿みたいに思い出し”たことだろう。

サビに入った頃には、こみ上げてきた気持ちが抑えきれなくなり、号泣していた。怒りや悔しさ、悲しみなど、負の感情がぐちゃぐちゃに入り混じった涙を流しながら、力強く握りしめた拳をひたすら突き上げ続けた。“君が思う程に弱くはない”し、“負けっぱなしくらいじゃ終われない”。そう本気で思った瞬間だ。

負けっぱなしくらいじゃ終われない

当時のこの光景を振り返りながら、なぜ拳を求めるのか、どうやったら拳を開かせることができるのか、という率直な疑問が浮かんだ。じゃんけんに例えるとしたら、パーのほうがグーより強いからだ。せっかくだから、勝ちに行きたい。

そもそも、人が拳を握りしめるときというのは、気合いを入れるためという意味合いもあるが、否定的な感情でいるときのほうが多いのではないだろうか。悔しいときや怒っているときなど、何か言いたいことをグッと我慢するときによく見られるしぐさだと思う。

一方、手を開いているときというのは、他人に心を許しているときなど、ポジティブな感情でいるときによく見受けられる手の動きだと感じている。

しかし、Hump Backはパーではなく、“グー”を求めていた。しぐさから見たときに、これは一人ひとりの気合いを見せてほしいということのようにも思えるが、じゃんけんならば負けている。ただ、一度負けているからこそ、次からは勝ちに行けるのではないかと私は考えた。

 

勝ち負けの話をしよう。本来ならば、誰だって負けたくないと思う。負けて自分の心が傷つくことはなるべく避けたいことだと思う。それでも、ときどき痛みに打ちひしがれてしまうときがある。傷が痛むあまり、何かをあきらめそうになってしまうときもあるだろう。

ただ、痛みを知ることは、次に進むための大事なステップであることも多い。負けて痛みを知っているからこそ、他の人にやさしくなれたり、何か自分にとって大切なことを学べることだってたくさんある。自分自身を成長させるためには、負けることだって大切な要素だと私は思う。

また、一度負けて経験した痛みは、再び同じことが起きたとしても、もう痛まなくなっているのではないだろうか。いつかは、負けた悲しみも悔しさも怒りも、自分の糧に変わる日が来るだろう。

人生、最初から“勝ち組”なんて人はいないとも私は思う。ほとんどの人は、たくさん負けて傷ついた経験を乗り越えてきたからこそ、勝つことができるのだと私は思っている。

 

だからこそ、Hump Backは拳を求めるのだと思う。きっと彼女たちは、勝つためには負けることも大切なことを知っている。“グー”がいつかは“パー”に変わる瞬間はきっとあるから、まずは“負け”という“強みに変わるチャンス”をライブで知ってほしいと思っているのではないか、とも思う。

そして、それこそが“ロック”だと、観客一人ひとりに伝えてくれているように私は感じた。

遠回りくらいが丁度いい

それからおよそ2ヶ月。私はついに夢を叶えることができた。あのとき何度も力強く握りしめた拳は、今では私の宝物だ。

およそ7ヶ月にわたり行った転職活動。もう50社以上受けた。その時間が無意味なものに感じた瞬間もあったし、もし辞めていなかったら、と何度も過去を振り返ったりもした。

それでも私は、編集者になりたい、という夢をあきらめられずに見続けたのだった。

これでダメなら業種を変えよう、と思っていたところ、最後の最後でようやく掴むことができた。その会社で私は今、働いている。

さらなる夢に向かって、これからも邁進していきたい。

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終演後は“馬鹿みたいに空が綺麗”でした(PHOTO:ライブ前の光景)

転職活動中の人にはこう聴こえる! Devil ANTHEM.の12曲でエントリーから内定までの心理状況を表現してみた

このブログを読んでいただいている方は既にお気づきだと思うのだが、筆者は今、転職活動をしている。 

そして、なかなか決まらず、たまに落ち込むこともあった。

そんな私を励ましてくれているのが、“沸ける正統派アイドル”Devil ANTHEM.(通称:デビアン)の存在だ。

第一弾のライブレポートでは、デビアンを好きな理由などについて語ったが、今回は、今の生活を記録しておくためにも、エントリーから内定までの各プロセスの心理状況を楽曲ごとに描写してみようと思う。

デビアンの楽曲を聴く中で、転職活動中の心理状況と結びつく楽曲が多いことに気づいたことがきっかけだ。

※第一弾のライブレポートはこちら

「覚醒WOW WOW」 → 現職での違和感

“自分で選んだはずなのに なぜなぜ 心は満たされない 本当は気付いてるその理由 でも弱い心は認めはしない”といった歌詞から始まる「覚醒WOW WOW」。就職した企業では心からやりたいことができなかったとき、このように感じる人も少なくないのではないだろうか。

そして、“そんな日々の先には どんな未来があるの”だろうか。この先も後悔の“涙流す”日々が待っているのではないかと思う。

この曲は“そんな日々はもう終わり”にしよう、と言っている。“譲れない 想い”を握りしめて、“理想の自分へアップデート”しようと言っている。

転職活動という名の“革命”を起こすときがやってきたのだ。

「ALRIGHT」 → 転職活動への意欲

“Make a story...”で始まり、同フレーズで締めくくられる「ALRIGHT」では、自由に思い描いた未来へ向かって踏み出そうといったようなメッセージが伝わってくる1曲。

何度も繰り返される“Gonna be alright”という歌詞からは、「やりたい業種や職種にきっと就けるよ、大丈夫だよ」といった自分へのエールにも感じられるだろう。

“新しいチャレンジに 戸惑いもある”かもしれないが、この曲は背中を力強く押してくれるに違いない。

「恋する乙女のクライシス。」 → 企業への興味

ものすごく行きたいと思える企業に出逢ってしまったとき、「ここじゃなきゃダメ!」といったような情熱がほとばしり、まるで恋に落ちたような感覚になる人も多いのではないだろうか。しかし、同時に「強敵たくさんいそう」「落ちたら嫌だなあ」といった不安に苛まれて尻込みしてしまうこともあるだろう。

そんなとき、オススメするのが「恋する乙女のクライシス。」。悪魔の“劣等感に焦燥感”といったメッセージを振り払い、天使からの“行動力に忍耐力”といったアドバイスを受け取りながら、“最上級の愛をキミ(企業)にあげる”のである。

その情熱は、きっと企業にも伝わるのではないだろうか。

「らすとご!!」 → 適性検査

授業が終わるまでのラスト5分をカウントしている「らすとご!!」。この曲の長さもきっかり5分となっている。

本来はそんな心が躍る様子を表現した曲となっているが、何度も“あと5分”とリピートされる歌詞は、まるで適性検査であと5分しかないと焦燥感に駆られてしまう気持ちと似ているのではないだろうか。

「あなたにANTHEM」 → 面接前の朝

“あーもう朝だー”と呟くセリフから始まる「あなたにANTHEM」。

“ちょちょちょっと待って!”や“ヤダヤダ待ってなんからんないYO!”と交互に繰り返されるフレーズでは、時間と戦う様子がコミカルに描かれ、時間がない朝を表現している。

また、“掴み取るよ! 掴み取るよ! チャンス1度きりだけ”や“今しかない! 今しかない! 巡り来たこのチャンス”の他、“遠い道のりだとしても チャンスは必ず掴みたい”といった歌詞はまさに行きたい企業の内定を勝ち取りたい面接前の気持ちにぴったり。

「Only Your Angel」 → 面接中

必死に面接官にアピールする光景が浮かんだ「Only Your Angel」。

“あっちこちに 溢れてる カワイイ女子ではない ちょっとチクっと トゲがある それがわたしです”と自己開示したかと思いきや、“ちょっとわざと 君のタイプ 狙ってる服を着て ふいにフワッと 笑顔で アピールしたりね”と、とにかく行きたい企業に入るため、一心不乱に全力を尽くしている様子が感じられる。

また、“不思議な程に そう 惹かれて行くの 理由なんてないの 全部 全部 好きで”や、“止めようとしてもダメ 加速する想い 傷ついてもいいの 全部 全部 知りたい”と、想いが熱すぎるあまり、もはや企業に恋をしてしまっている状況だ。

これでは、企業も困ってしまうのではないだろうか。

「EMOTIONAL」 → お祈りメール

“分からなくなるんだ 息を切らして走り続ける意味 抱え込んだ悩み いつか笑えるときがくるのかな”というフレーズから始まる「EMOTIONAL」。ものすごく行きたい企業からお祈りメールが届いてしまったとき、思わずこんな心境になってしまう人も多いのではないだろうか。

しかし、どうしても掴みたい夢を持っている人は、“このままじゃまだ終われない”し、“遠回りしても諦めたくない”と思うだろう。立ち止まることはあっても、自分を信じて、再び夢に向かって突き進んでいくに違いない。

「BE AMBITIOUS!!」 → 周囲からのエール

“Don't mind! 大丈夫だよ 落ち込む必要ないんだ 次に来るチャンスはそうキミのものだよ”の他、“悩むとききっとあるけど そんなときこそ踏み出そう 強い気持ち忘れずに!”といった「BE AMBITIOUS!!」の歌詞からは、行きたい業界や業種の面接に落ち、落胆しているときに聴きたくなるような1曲となっている。

この曲を聴けば、どこからかパワーがみなぎり、“まだまだ終われるわけないじゃん”といった気持ちにさせてくれるだろう。

「Fever」 → 2社目に挑戦

“まだまだやれるはずだ 掴み取るんだ!”や“どんな困難だって立ち向かうぞ!”の他、“夢をNever give up! 諦めない!”、“よっしゃ!どうか期待しててね!これからのハイなステージ ”と心がメラメラ燃えている様子が感じ取れる「Fever」。

1社目で上手くいかなかったものの、どうしても行きたい業界、あるいはやってみたい職種なのだろう。そこで終わりにせず、“行動しなくちゃはじまらない”、“今が頑張りどきなんだ”とやる気に満ち満ちた様子でめげずに2社目に挑戦している姿が想像できるのではないだろうか。

そうして頑張っている姿を、引き続き友だちや家族などの周りの人たちが温かく見守っているのだろう。“気づけばみんないてくれて ホント ホントに幸せ”という歌詞からはそんな光景が浮かんだ。

「MY WAY」 → n社目に挑戦

“行くよ! Let's go! Stand up! Find a way! 向かい風にも負けずに 全力で 全力で走り出せ”というフレーズが印象的な「MY WAY」。

“描いている夢はまだまだ遠くて”なかなか簡単には上手くいかないことから、“くじけそうにもなる”のだろう。しかし、何度選考で“躓いても 擦りむいても”、どうしてもあきらめられない夢だからこそ、それを叶えるために“ただ前に進み続けたい”といった想いや、“絶対に 絶対に叶えるよ”という情熱にあふれているのではないだろうか。

「以心伝心」 → 意思確認

“出逢えてサンキュー ほんとサンキュー これって奇跡だよね”という「以心伝心」のサビからは、ようやく自分にふさわしい企業が見つかったのだろう、と想起せずにはいられない。

また、“心配しないでね いつでも一緒だから”といった頼りになる言葉には、思わず安堵のため息が漏れてしまう人もいるのではないかと思う。“通じ合えるよ どんなときも ほら 以心伝心で”、“かけがえのない強いキズナ 僕を照らすよ ずっと”といった歌詞からも、自分と相性の良い企業と出逢えたことが見受けられるだろう。

「Fly」 → 内定

爽やかな風が感じられるような、軽やかでポップな曲調が印象的な「Fly」。

“窓を開けたら広がる 新しい空”や“ココロ弾むような出来事が きっとこれから始まる”といった歌詞からは、就職先が決まり、新しい職場に対するワクワク感や期待で胸がいっぱいになっているように感じられる。

また、サビの“未来までFly away! どこまでもOn my way!”といった箇所では、自分らしさを忘れずに、自分が考える理想的な未来をイメージすることで飛躍できる、というポジティブなメッセージが込められているように思った。

感想

私の転職活動がいつ終わるのかはまだわからないが、なんとなくもうすぐ終わる気がしてならない。

たまにデビアンのライブに行くなどの息抜きを挟みながら、最後まで自分を信じて頑張りたいと思う。

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浴衣姿のかえでちゃんとの2ショット

岡崎体育の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”! SSAで魅せたロックスピリット

最高にロックな時間だった。

かねてからさいたまスーパーアリーナでのワンマンライブを目標に掲げてきた、シンガーソングライター・岡崎体育

7年前から見続けたその夢を、6月9日、ついに現実にする日がやってきた。

この日、岡崎体育は18,000人もの観客を集客することに成功し、一人ひとりを彼のユニークな世界観へと引き込んでいった。

ライブのタイトルは「BASIN TECHNO」。自らの音楽スタイルとおんなじ名前だ。岡崎さん自身を表すのにぴったりのタイトルだと思った。

ついにやってきた“その日”

オープニングでは、岡崎体育のシルエットが大きく映し出され、胸のあたりに「BASIN TECHNO」の文字が一文字ずつレーザーでくっきりと描かれていく。

岡崎さんが、何度「いつかはさいたまスーパーアリーナで口パクやってやるんだ 絶対」と公言してきたかわからない。少なくとも私は岡崎さんのライブに行くたんびに、何度もその夢を岡崎さんに“説明”されてきた。“説明”されるたんびに、応援してきた。私も夢を追いかけているからこそ、絶対に岡崎さんに叶えてほしかった。

そして、“その日”が来るのがどれだけ待ち遠しかったかわからない。それは、もちろん岡崎さんもそうだろう。岡崎さんがいちばんそう思っているのに違いない。

映し出された影法師がなんとなくそれを物語っていた。岡崎さんが片手に持っていたマイクに相当な力が込められているように感じた。

そして、岡崎さんが登場すると、彼は力強く叫んだ。

「夢を叶えに来ました!」

自然と笑みがこぼれる。気づけば、拍手にも一段と力が入っていた。

“この日”だけのスペシャルパフォーマンス

岡崎さんはこの日、サイレントパフォーマンスを繰り広げたり、宙を舞ったり、原付バイクでステージを走り回ったり、ディズニーのエレクトリカルパレードを彷彿とさせるトロッコで会場を1周したりと、この日だけのスペシャルなパフォーマンスも多々見せてくれた。

他にも、スタッフに扮していた藤木直人さんがステージに登場したり、エノキで周囲を飾り付けられた中央ステージでお友だち・てっくんがメジャーデビュー曲「フェイクファー」を披露したり、だいぶ早いバースデーケーキが突然出現して引っ込んだりと、さまざまなサプライズがあった。

岡崎さんが好きなことをとことん、笑顔で、楽しそうにやっていた姿は、私にはとても輝いて見えた。夢を叶える人は、周りの人に夢を見させてくれる人なんだと思った。

岡崎体育から学んだこと

だが、岡崎さんはいつも通りのことをいつも通りやっているだけだと言っていたことが忘れられなかった。いつも通りのことをいつも通りやることというのは、そう簡単なことではないように感じる。

MCで、岡崎さんは会場を指差しながら、ひと区画を集めるにも5年かかったと言っていた。5年前は1人か2人のお客さんしか集まらなかったそうだ。

また、チケットの予約数が100人という目標を到達してよろこんでいたものの、当日台風が直撃してしまった日のことも明かしてくれた。最終的には90人近くのお客さんが来てくれたことがうれしかったと話し、感謝していた。

悲しそうな表情もいっさい見せずに、淡々と語っていた。岡崎さんに凛とした強さを感じた瞬間だった。当時から自分なりのパフォーマンススタイルを貫いてきたというのも尊敬する。

私にも出版社に勤めたいという目標があった。まずは記者という形で入り、ゆくゆくは編集者として働きたかった。そのために自分の得意なことを伸ばそうと、好きなアーティストのライブへ行ってライブレポートを書いたり、企画案を誰よりも考えたりした。

ただ、頑張りすぎて空回りし、徐々に自分を見失ってしまい、病気が再発。さらには周りの一部の人に理解されず、冷たくされるといった日々を経験した。自分のペースが崩れてしまった結果、夢を手放すこととなってしまった。

今となってはものすごく後悔している。だからこそ、この日披露された“大事なものをなくして 大事なものを見つけた”という「The Abyss」の歌詞が沁みた。そして、ヤバイTシャツ屋さんら多数のアーティスト、芸能関係者の他、小さな子どもから大人まで、たくさんの人に愛されながら、自分のペースを見失わずに好きなことを貫き通す岡崎さんのライブにものすごく感動した。

さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブは、さまざまな人に夢や希望、そして笑顔を与えてくれたに違いない。好きなことを貫きながら、自分らしい方法でずっと継続していける人、それが夢を叶えるための方法なのだと思った。

ここで終わらない岡崎体育

最後に岡崎さんは「Explain」を披露してくれた。“さいたまスーパーアリーナで口パクやってやる”と、何度も岡崎さんに“説明”されてきた夢をついに叶えたのだ。「この場をもって最後」という言葉とともに披露された同曲のイントロで、私は感極まって涙した。

でも、岡崎さんは違った。彼は決して泣かなかった。それどころか、ずっと笑顔だった。終始笑顔で気持ちよさそうに楽しんでいた。

岡崎さんはここで終わらない。夢が叶って、そこで終わりじゃない。岡崎さんは大阪の体育館で来年の2月にワンマンライブを開催することが決定している。これからも次から次へと目標に向かって歩み続けるに違いない。

彼の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”のだ。オープニングで映し出されたシルエットの意味は、そんなメッセージを伝えてくれているように感じた。

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岡崎体育の“胸の BASIN TECHNO の文字は消えることはない”だろう