ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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BABYMETAL、RADWIMPS、KANA-BOON…アーティスト6組で表す、時間に追われている人の1日

時間厳守。それは日本にいる限り、つきまとう問題だと思っている。

“時間を守ることが美徳”とされている日本の文化

日本は時間に厳格な国だと思う。日本で暮らしている限り、日々、嫌でも時間を意識せざるを得ないだろう。

例えば、遅刻なんてしたものなら大変だ。学校では、教室の後ろに立たされることになってしまったり、そもそも講義が受けられなかったりするのではないだろうか。会社では、社内外の信頼を失うことになりかねない。日本では、時間を守れないことは“恥”なのだ。

そんな時間厳守が“当たり前”とされている日本では、常に時間に追われている人がいるのも珍しくない。彼らはとにかく間に合わせようと必死なのだ。

今回は、そんな時間に追われている人たちの1日を音楽で表現してみようと思う。せわしない日々を送っている人には、きっと共感してもらえるのではないだろうか。

【朝】BABYMETAL「ド・キ・ド・キ☆モーニング

「リンッリンッリンッ! おはようWake Up ド・キ・ド・キ☆モーニング」といったアラーム音が鳴り響いているようなフレーズからスタートする、BABYMETALの「ド・キ・ド・キ☆モーニング」。この瞬間から、既に時間との戦いは始まっているのだ――。

ド・キ・ド・キ☆モーニング

ド・キ・ド・キ☆モーニング

  • BABYMETAL
  • メタル
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

何度も繰り返される「あっち?こっち?そっち?どっち?」「Which?ちょっち?ウォッチ 今何時?」といった歌詞からは、慌てふためいている様子が伝わってくるだろう。さらにサビでは「お・ね・が・い! チョ待って!チョ待って!」と繰り返し懇願しているが、時間は残酷にも待ってくれない。

その後、間に合ったのかは定かではないが、第一関門が朝にあるという人は少なからずいると思っている。

【日中】RADWIMPS「アメノヒニキク」

あいにく、この日は雨だったようだ。雨の日には電車が遅延しやすいこともあり、まだまだ油断は禁物だ。

RADWIMPSの「アメノヒニキク」は、そんな心が休まらない人の心境を表現しているような1曲だと思っている。

アメノヒニキク

アメノヒニキク

  • provided courtesy of iTunes

歌詞とサウンドで雨の降り始めを表現したような前半パートが終わると、後半の“どしゃぶり”パートへと突入するのだが、その後半での心理状況に注目してほしい。日中も焦燥感に苛まれている様子が伝わってくるのだ。

「次の哀しみは何時何分? それまでにそれまでに」「次の幸せは何時何分? それまではそれまでは(それまでは×3)」、「次の裏切りは何時何分? それまでにそれまでに」「次の箱舟は何時何分? それまではそれまでは(それまでは×7)」と歌詞からは、心に余裕がないことが分かるだろう。

そして、しまいには「ザンザカザンと さぁさほら降れ降れ」とやけくそだ。しかし、同時に「なんだからしくないな泪目だね」「ザンザカザンと さぁ なんだらかしくない」と、いつもの自分らしさが出せていないことに対して、悔しさを感じているようでもある。

このように、時間に追われて心にゆとりがなくなっている人は多いように思う。

【夕方】KANA-BOON「1.2. step to you」

その後も、まだ時間に追われているようだ。KANA-BOONの「1.2. step to you」では、夕方になっても時間と戦っていることが分かるのではないだろうか。

1.2. step to you

1.2. step to you

  • provided courtesy of iTunes

冒頭の「坂を登ればあと何メートル」「君の家まであと何メートル」「見慣れた景色あと何メートル」というフレーズや、「夕日が沈み、あと何十分」といった歌詞からは、未だに焦燥感に駆られている様子が伝わってくるだろう。

同曲では、時間が経つにつれ、記憶が薄れていってしまうことについて嘆いており、忘却してしまうことを食い止めようと、時間と懸命に戦っている。

時間を戻したくて必死な気持ちが伝わってくる「戻れ、戻れ、1.2. step to you」のリフレインは、まるで締切に追われている人たちの心境を描いているようだ。

【夜】サカナクション「夜の踊り子」

夕日が出ていたとはいえ、まだ雨は上がったばかり。夜になっても、何らかの問題から逃げたくなっている姿が描写されている曲がある。サカナクションの「夜の踊り子」だ。

夜の踊り子

夜の踊り子

  • provided courtesy of iTunes

曲中には「忘れたふりして 夜に逃げただけ」「聞こえたふりして 夜に逃げただけ」という歌詞が登場するが、最終的には「今」と戦う姿が描かれている。ここで戦っているのは、おそらく“時間のない自分”だと思う。本当は時間からではなく、そんな余裕のない今の自分自身から逃げたいのではないだろうか。

そして、注目してほしいのが、時間の捉え方にやや変化が生じていることだ。これまでは時間に追われるあまり、心にゆとりがなく、ややネガティブに物事を捉えがちだったと思う。しかし、ここに来て、少し楽観的に考えることができるようになっている。

この曲では「行けるよ 行けるよ」「遠くへ行こうとしてる」「イメージしよう イメージしよう」「自分が思う方へ」、「今泣いて何年か後の自分」「笑っていたいだろう」などと歌っている。この箇所からは、未来で笑うために、今つらくても頑張りたいという熱い想いが伝わってくるのではないだろうか。

時間に追われている“今”ではなく、心にゆとりができている“未来”を想像しながら取り組むことで、見える世界は少しずつ変わってくるのかもしれない。

【夜中】フレデリック「オワラセナイト」

とはいえ、非情にも進んでいくのが時間だ。刻々と時は流れ、ついに夜中に突入してしまう。そんな時に聴きたいのが、フレデリックの「オワラセナイト」だ。この頃には再び余裕のない姿に戻っていることが分かるだろう。

オワラセナイト

オワラセナイト

  • provided courtesy of iTunes

「終わらせないと」と「間に合わないよ」のリフレインは、締切に追われて切羽詰まっている状況にいる人なら、きっと共感できるのではないだろうか。「後の祭り」になってしまう前に終わらせる必要があるのだ。

また、「終わらせないと 終電感情戦外回りに間に合わないよ」といった歌詞は、おそらく激務と言われている業界へ一度でも飛び込んだことのある人なら分かるだろう。終電を逃すとタクシー帰り、または始発を待って帰るという展開が待っているはずだ。だからこそ、さっさと終わらせたいのではないだろうか。

【夜明け】パスピエ「REM」

なんとか締切までに仕事を終わらせることができて家に帰れたとしても、頭が活性化してしまって眠れない。そんな日はないだろうか。

パスピエの「REM」では、気分が高揚するあまり、眠ることができていない姿が描かれている。

REM

REM

  • provided courtesy of iTunes

同曲では、新聞配達員のことが気になっているあまり眠ることができていない様子が描写されているのだが、「切羽詰まってる 午前三時 午前三時」や「まじ極まってる そろそろ四時 そろそろ四時」というフレーズからは、眠れないまま時間が過ぎ行くことに焦燥感を募っている姿が伝わってくる。そして、こういう人は意外にも多いのではないだろうか。

感想

時間の問題は、やはり日本にいる限りつきものだと思う。時間に追われるあまり、心に余裕がなくなってしまったり、時間に追われることがストレスとなって睡眠障害に悩んでいたりする人は少なくない。

筆者も時間に追われる日々を送っているのだが、まだ心にゆとりがないように感じている。作業のスピードを早めることはもちろん、無駄を省きながら、なんとか効率的に作業する仕事術を身につけたいものだ。

心に余裕ができているポジティブな未来をイメージしながら、これからも踏ん張っていきたい。

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