ミュージック バンク

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感性に訴えてきた楽曲を、ちゃんさきセレクションでお送りする音楽ブログ。独断と偏見で綴っています。

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想いを未来へ繋げたKANA-BOON【CDJ19/20 ライブレポート】

KANA-BOONが年内最後に魅せたライブは、並々ならぬ想いがひしひしと伝わってきた。

年越しの音楽フェス・COUNTDOWN JAPAN(通称:CDJ)。彼らは、CDJ19/20の3日目となる12月30日に、EARTH STAGEに登場した。

メンバーを率いるフロントマン・谷口鮪(以下、まぐさん)がMCで伝えてくれた言葉は、涙なしでは聴けなかった。さらに、そこに追い打ちをかけるように披露してくれた楽曲が、じんわりと胸に響く。

KANA-BOONだからこそ奏でられる、最高のハーモニーを届けてくれたように感じたのだった。

一人ひとりへ紡いだ、まぐさんの真摯な想い

空気が一変したのは、まぐさんのMCパートだったように感じている。まぐさんは、一人ひとりに対する感謝の言葉を語りだしたのだった。

飯田祐馬(以下、めしださん)について触れていただけでなく、大変だったときにシナリオアートのヤマシタタカヒサ(以下、ヤマピー)がバンドをサポートしてくれたことについても、礼を述べていた。

さらに「大変な時期に出逢ってくれた人もいるかもしれない」と、観客を見渡しながら、ファンに対しても感謝の気持ちを口にしていた。

このメッセージに思わず目頭が熱くなり、気づけば泣いている自分がいた。まぐさんの真摯な姿勢に、胸を打たれた観客も多かったのではないだろうか。会場の空気がひとつになったような、そんな感覚がしたのを覚えている。

さまざまな想いが詰まった、KANA-BOONからのバトン

その後、まぐさんが「この1年で貰ったものを、これから返していくから」と力強く放ちながら、「バトンロード」の演奏をスタートさせた。

めしださんから託されたバトン(想い)、ヤマピーと分かち合ったバトン(日々 ※2020年からは新たなサポートベースを迎えるそう)、ファンから貰ったバトン(エール)。いろんな人から貰ったバトンを握りしめながら、これからも前進していくという決意を、この楽曲で表現しているように見えた。

それだけでない。“君”と“新章”を見たいといったメッセージも伝わってきたのだ。新体制となったKANA-BOONにも付いてきてほしい、とメンバーは観客一人ひとりにバトンパスをしていたように思う。

受け取ったバトンをそっと胸にしまいながら、メンバー一人ひとりの表情を見つめていて、気づいたことがある。その目には、確かに光と火が宿っていたのだ。

メンバーの想い伝わる、繋がる輪と繋げたい絆

最後に披露されたのは「まっさら」だった。

2018年にデビュー5周年を記念し、5シーズンにわたり、5作品のリリースと5つのイベント開催を実施する企画を展開していたKANA-BOON。「まっさら」は、同企画の5作品のリリースを締めくくった楽曲となっている。

「繋がる」がテーマの同曲だが、その歌詞は、全国47都道府県を巡りながら計55公演を開催したワンマンツアー「Let’s go 55 ONE-MAAN!!」の最中に書かれたものとのこと。それだけに、メンバーが、ファン一人ひとりと彼らの音楽を通して繋がりたいといった想いが描かれている曲のように感じている。

しかし、今となっては、それだけがテーマでないように思う。めしださんの想いも、ヤマピーの想いも背負いながら、これからのKANA-BOONにもしっかり繋げていくということを表現した曲のように感じ、涙が止まらなかった。

2020年から始まる、新しい道。次々と新たな扉を開いても、KANA-BOONはこれからも繋がっていく、そして繋げていくことを、この日のライブで宣言しているように見えた。

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